若き力が躍動するトレイルブレイザーズが3連勝、自信を深めるドノバン・クリンガン「達成感がある」

現地12月20日、トレイルブレイザーズは敵地でキングスと対戦。試合の大部分をリードしていたにもかかわらず、最後の最後まで油断できない展開となった。ブレイザーズは2日前にもホームでキングスと対戦したが、この時は第4クォーター途中で最大18点あったリードを溶かして延長に持ち込まれ、辛くも勝利している。それだけにこの試合も、リードしていても突き放せない展開は心地の良いものではなかった。 ドリュー・ホリデーとジェレミー・グラントをケガで欠く状況で、クラッチタイムで経験不足を露呈するのではないかと心配されたが、8点リードから1点差へと詰め寄られた残り3分のタイムアウトから、若い選手たちが勝負どころで必要とされるプレー強度と集中力の両方を発揮し、6-0のランで勝利を決定付けた。 ここで真価を見せたのは21歳のドノバン・クリンガンと22歳のシェンドン・シャープだ。クリンガンは自慢の高さとフィジカルを生かしたディフェンスとリバウンドでペイントエリアを支配。外でプレーする器用さはなく、フリースローも3本中成功1本だけと弱点は相変わらずだが、自分の持ち場であるゴール下では無類の強さを発揮。ドマンタス・サボニスを欠くキングスのスモールラインナップを蹴散らし、試合を通して14得点14リバウンド2ブロックを記録した。 「守備でビッグプレーが何度もあり、そのたびにリバウンドをきっちり確保できたから勝つことがでた」とクリンガンは言う。 勝負どころのラスト3分でクリンガンは2本のクラッチシュートを決めている。1本はオフェンスリバウンドを取って、相手のコンタクトを受けながら決めきったバスケット・カウント。もう1つは右コーナーからスピンムーブでデマー・デローザンのマークをかわし、ベースラインアタックからのダンクだ。 それでも彼は、オフェンスの手柄はシャープに譲り、ディフェンスを誇った。「常にアグレッシブであることを意識して、正しいポジションを取り、お互いにカバーしているという安心感を得られるように仲間と声を掛け合った。それに加えて、最後尾で守る僕は、チームメートの背中を支えるという意識でプレーしている。みんなで協力して良い守備ができた時には達成感があるよ」 クリンガンの2つのクラッチシュートの間には、シャープがラッセル・ウェストブルックの上から叩き込んだポスタライズ・ダンクもあった。「僕はリムの真下から見ていたけど、半端なかったね」とクリンガンは楽しそうに笑う。「あんなダンクを見せられたら笑うしかない。正直に言うけど、僕が守る側だったらブロックに行くのは遠慮しておくよ」 これでブレイザーズは3連勝で、12勝16敗。先が見えない再建チームという評価で開幕を迎え、開幕直後にヘッドコーチのチャウンシー・ビラップスが違法ギャンブル容疑で逮捕されるアクシデントにも見舞われたが、大方の予想を上回るパフォーマンスを見せている。 暫定ヘッドコーチを務めるティアゴ・スプリッターは「今の我々にとって、日替わりでヒーローが登場するのは理想的だ。毎試合、必ず誰かがステップアップしてくれる」と選手たちの健闘を称えている。「良い結果を出すごとに選手たちは自信を得て、着実に成長していく。そんな姿が見られるのは素晴らしいことだ」

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