ドイツ西部ゲルゼンキルヘンで29日、銀行の金庫から約3000万ユーロ(約55億円)相当の金品が盗まれる盗難事件があった。現地警察が30日、明らかにした。商店街の中央通りに面した銀行支店の金庫に、窃盗団はドリルを使って侵入したもようという。 ゲルゼンキルヘン警察の調べによると、シュパーカッセ銀行の支店に侵入した犯人たちは3000個以上の貸金庫から現金や金、宝石類などを奪った。容疑者はまだ逮捕されていない。 警察は、29日早朝に銀行の火災報知機が鳴ったため、事件に気づいたという。警察と消防が建物を調べた際に、地下の金庫室に穴が開いているのを発見した。 警察は、窃盗団が「クリスマスを迎えた静かな時期」を利用して、繁華街の銀行支店を襲ったようだと話した。 警察報道官はAFP通信に対して、犯罪集団による金庫侵入を描くハリウッド映画「オーシャンズ11」を引き合いに出し、「きわめてプロの手口」だと説明した。 調べによると、犯人たちは支店に隣接する駐車場を通じて侵入し、逃走したとみられる。警察によると、防犯カメラ映像には、29日未明にデ・ラ・シュヴァレリー通りの駐車場から黒いアウディRS6が出ていく様子が映っていた。 27日から28日にかけて夜間、駐車場の階段で大きなバッグを運ぶ複数の男を見たという目撃情報もある。 シュパーカッセ銀行は被害に遭った銀行支店の顧客に対し、シュパーカッセ銀行が設置したホットラインを使って銀行に連絡するよう呼びかけている。 30日には情報を求めて顧客の多くが外に集まったため、警察は支店の入口を封鎖した。 シュパーカッセ銀行によると、貸金庫の95%が窃盗団によってこじ開けられたため、貸金庫を使う顧客が被害を受けた可能性は「非常に高い」という。 銀行はさらに、個々の貸金庫の内容物は最大1万300ユーロまで保険で補償されると説明。利用者各自が自宅などにかけている保険に追加補償があるかどうか確認するよう、呼びかけた。 (英語記事 Thieves use drill to steal €30m in German bank heist)