米国内でもトランプ氏のベネズエラ侵攻を非難「中国が台湾を侵攻したらどうするのか」

米国のドナルド・トランプ政権が主権国家であるベネズエラに侵攻し、ニコラス・マドゥロ大統領夫妻を拉致したことは、国際社会に危険な先例を残すとして、批判が高まっている。 2003年、当時の米国のジョージ・ブッシュ政権は、イラクのサダム・フセイン政権が9・11テロを引き起こしたアルカイダを支援し、大量破壊兵器を開発しているという根拠のない主張をして侵攻したことで、中東の混乱を拡大させただけでなく、米国が主張していたルールに基づく秩序にも大きな打撃を与えた。トランプ政権も今回、米国の麻薬乱用問題とはほとんど関係のないベネズエラに責任を負わせ、ベネズエラに侵攻した。 イラク侵攻の際、ブッシュ政権はイラクの武装解除を要求する決議案を国連安全保障理事会に提出し、イラク侵攻に対する安保理の承認を求めるそぶりをみせた。しかし、トランプ政権は今回、国連安保理にベネズエラ侵攻関連の決議案を提出して国連の承認を得ようとするジェスチャーさえ取らないなど、国際法に対して神経も払わない態度を示した。 米国の上院情報委員会の副委員長を務める民主党のマーク・ワーナー議員は3日に声明を出し、「米国が、犯罪行為を行ったとして外国の指導者を非難し、その国に侵攻して指導者を逮捕する軍事力の使用の権利を主張するのであれば、中国が台湾に対して同じ権利を主張することをどのようにして阻止するのか」と正面から批判した。ワーナー議員は「ウラジーミル・プーチン(ロシア大統領)がウクライナ大統領を拉致し(トランプ政権と)同様に正当化するのをどうやって防ぐのか」として、「いったんこの一線を越えれば、世界的な混乱を抑制するルールは崩壊を始め、権威主義的な政権が真っ先にこれを利用することになるだろう」と指摘した。 今年末に引退する予定の共和党のドン・ベーコン下院議員も「私は今回の件を、ロシアによるウクライナへの不法かつ野蛮な軍事行動、または、中国の台湾侵攻を正当化することに利用されかねないと懸念している」と述べた。 中国とロシアが自分たちの勢力圏を一方的に設定し、線引きする先例になるという指摘が出ている。トランプ政権は初となる国家安全保障戦略(NSS)で、対外政策の最優先事項として西半球優先主義を明言し、これに基づきベネズエラに武力介入した。中国とロシアも同様に、自分たちの勢力圏を主張する可能性があるというわけだ。中国は「米国の覇権的な行動は著しく国際法に違反している」として、米国のベネズエラ侵攻を非難したが、名目づくりだとする指摘もある。中国とロシアは昨年9月以降、米国のベネズエラ介入を事実上傍観していた。さらに、ウクライナ戦争と台湾問題については、トランプ政権と妥協した。米国・中国・ロシアが勢力圏を分け合う密約を結んでいるのではないかという懸念が高まっている。 チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ [email protected] )

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