カンボジア内務省は7日、インターネットを通じて世界中を標的に詐欺を繰り返し、米当局から「アジア最大の犯罪組織の一つ」として制裁をかけられた企業集団プリンス・グループの陳志会長を逮捕し、国籍を剝奪(はくだつ)したうえで、出身国の中国に送還したと発表した。 プリンス・グループはカンボジア屈指の企業集団として、不動産開発やホテル、カジノ、銀行などの経営を手掛ける裏で、詐欺を行うコールセンターを作って収益を上げていたとして、米当局が昨年10月に制裁をかけ、同社が保有していた2兆円規模の暗号資産を没収する手続きを始めたと発表していた。 英BBCによると、同グループの創始者・陳会長は、中国福建省出身で2014年にカンボジア国籍を取得。フン・セン首相(当時)の顧問にも就いた経歴を持つ。カンボジア内務省は、中国との共同捜査の末、今月6日に陳氏らを逮捕したとしている。 コールセンター型の詐欺をめぐっては、ミャンマー東部のタイ国境近くの拠点で働かされていた日本の高校生が昨年2月に保護されるなど、問題の深刻さが明らかになっている。国連薬物犯罪事務所によると、こうした詐欺にかかわる人は東南アジアを中心に50万人以上と推定されている。(バンコク=武石英史郎)