民家を突然訪問して屋根瓦を点検した後に不安をあおって工事契約を結ばせる「点検商法」を繰り返していたとされる事件で、京都府警生活保安課などは10日までに、詐欺と特定商取引法違反(事実の不告知など)などの疑いで大阪市中央区の建築会社「新日立建託」社長(27)=大阪市、特商法違反罪で起訴=を再逮捕し、新たに同社従業員の男2人を逮捕した。 府警によると、同社は今年1月以降、京都府内や兵庫県内で約210件の契約を交わし、工事代金として2億8千万円超を得ていたという。府警は社長が交流サイト(SNS)でつながる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」のリーダー格だったとみて捜査している。 社長の逮捕容疑は従業員と共謀し、9~11月、京都市西京区や伏見区、長岡京市などの65~76歳の男女5人の自宅を訪問して「屋根が壊れている」などと説明した際にクーリングオフの情報を伝えず、うち3人から工事代金として計約880万円をだまし取った疑い。3人は容疑を否認しているという。 府警によると、社長らはSNSで主に20代の約35人のアルバイトを募り、点検商法の手口で違法な工事契約を結んでいたとみられる。