容疑者「違法とは知らなかった」 自賠責保険請求で非弁活動疑い

交通事故の際に支払われる自動車損害賠償責任(自賠責)保険の請求を巡り、弁護士資格がないのに事故の被害者に代わり保険会社との交渉業務などを請け負ったとして、福岡、熊本、沖縄の3県警合同捜査本部は21日、福岡市東区の「ピンチヒッター行政書士法人」副代表の高萩慎司容疑者(46)を弁護士法違反(非弁活動)容疑で逮捕した。自賠責保険の請求手続きを行政書士がどこまで担えるかは専門家の間でも見解が分かれており、立件は異例。行政書士の業務範囲に影響を与える可能性がある。 逮捕容疑は2023年5月~24年4月、福岡、熊本両県の男女6人の依頼で自賠責保険会社に賠償請求した際に支払いの一部を同社に拒否され、弁護士資格がないのに異議申し立てをするなどし、計数十万円の報酬を得たとしている。高萩容疑者は一部否認し「異議申し立てをして報酬を得たことは間違いないが、違法とは知らなかった」と供述しているという。 捜査関係者によると、高萩容疑者は、被害者が加害者加入の自賠責保険会社に直接賠償請求できる「被害者請求」という方法で業務を請け負っていた。保険会社との交渉などは弁護士しかできないが、被害者請求は書面で請求し、そのまま認められるケースが多いため、高萩容疑者は「適法」と判断し広く請け負っていたとみられる。ただ、一部の弁護士会は、被害者請求でも治療期間などを巡って自賠責保険会社側と争う余地があり、法律業務に当たるとの見解を示していた。 合同捜査本部は高萩容疑者の代理請求業務が非弁活動に当たるかを慎重に捜査。保険会社側に異議申し立てを繰り返していたことなどが判明したため、逮捕に踏み切ったという。 合同捜査本部は今回の逮捕に先立ち、自賠責保険を水増し請求している疑いがあるとして、高萩容疑者と提携する福岡市南区の整骨院グループ会社を捜査。25年9月以降、同社の男性代表取締役(46)らを詐欺容疑で逮捕し、福岡地検が起訴していた。【金将来】

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