弁護士資格を持たず交通事故の当事者から報酬を得て損害保険会社と示談交渉などをしたとして、警察は福岡市の行政書士の男を逮捕しました。 ■弁護士法違反の疑いで逮捕 RKB 馬場遼之介記者 「容疑者が捜査員に連れられて事務所のあるビルから出てきました」 うつむきながら勤務先の事務所から出てきた容疑者。 21日、弁護士法違反の疑いで逮捕された行政書士の男(46)です。 福岡市東区にある行政書士法人の副代表を務めています。 ■弁護士資格を持たずに示談交渉、報酬受け取ったか 男は、弁護士資格を持たずに2023年から24年にかけて、福岡県や熊本県で発生した交通事故の当事者6人から依頼を受け、自賠責保険を取り扱う損害保険会社と示談交渉などを実施。 報酬としてあわせて現金数十万円を受け取った疑いが持たれています。 ■きっかけは”自動車保険金をめぐる詐欺事件” 疑いが浮上したきっかけは、福岡市内にある整骨院の代表らが逮捕・起訴された自動車保険金をめぐる詐欺事件でした。 警察が捜査を進めるうちに、男が行政書士資格では認められていない業務に関与した疑いが出てきたといいます。 ■行政書士の男は容疑を一部否認 取り調べに対し男は―行政書士の男は、容疑を一部否認しています。 行政書士の男 「(警察の取り調べに対し)報酬を得たことは間違いないが、この業務が弁護士法違反であることは知りませんでした」 ■「事故の被害者にとってはマイナス」と話す弁護士 日本弁護士連合会で違法な示談交渉などへの対策にあたっている向原栄大朗弁護士は、こう話します。 向原栄大朗 弁護士 「行政書士が自賠責保険の請求だけを専念していくのは事故の被害者にとってはマイナスしかないんじゃないかと」 交通事故の損害保険は基本、自賠責保険と任意保険の2つで構成されていますが、行政書士が違法な交渉をする場合、上限120万円の自賠責保険のみ実施され、任意保険については見送られるケースが大半だといいます。 そのため、事故の当事者には120万円までしか保険金が出ず、任意保険の支払いも必要な大きなけがなどがあっても十分な治療費や慰謝料が支払われないおそれがあると向原弁護士は指摘します。 向原栄大朗 弁護士 「120万の枠を使い切った状態で、あとは被害者がほったらかしになっているケースがあの全国ではかなり起きてるということも聞いている。交通事故の件で言えば120万円以上にお金をとれる場合ってあるわけじゃないですか、でも自賠責の範囲でしかうごかないということがもしあったとすれば、事故の被害者にとってはマイナスしかないんじゃないか」