〈「結局は金目当てか」と批判されても…弁護士が犯罪被害者に「賠償金は1円でも多く取るべき」と断言する“切実な理由”《訴訟をしてまでの賠償金請求をお勧めしないケースも?》〉 から続く 2015年、埼玉県熊谷市で起きた凄惨な連続殺人事件。小学生の娘2人と妻、計3人の命を理不尽に奪われた加藤さん(姓のみ公表)は、法廷で「被告人に死刑を求刑します」と自ら声を絞り出した。 一審判決は死刑。しかし、東京高裁が下した判決は「無期懲役」への減刑だった。理由は犯行時の責任能力ではなく、裁判時の訴訟能力──。あまりの不条理に、温厚な加藤さんも検事相手に激昂する。ここでは、同事件の被害者側弁護士を務めた上谷さくら氏の著書 『犯罪被害者代理人』 (集英社新書)の一部を抜粋。被害者の苦悩について紹介する。 ◆◆◆