ミャンマーは総選挙後も混乱不可避 国軍系圧勝も民主派は排除、治安悪化で一部実施できず

ミャンマーでクーデターにより実権を掌握した国軍による総選挙の結果が29日夜確定し、国軍系の連邦団結発展党(USDP)が上下両院議席のうち選挙で決定する議席の約8割を獲得して圧勝した。国軍は2021年のクーデターから2月1日で5年になるのを前に、「民政移管」後の権力維持を確定させたが、主要な民主派が排除された総選挙への反発は国内外で根強い。情勢の混乱は今後も続きそうだ。 ■「透明な選挙」強調 投票は先月28日から今月25日まで3回に分けて実施され、対象となった上下両院の計420議席のうち、USDPが8割以上にあたる339議席を獲得した。一部地域では民主派と少数民族が国軍支配に武力で抵抗を続けており、計78議席分は治安悪化を理由に選挙が行われなかった。 3月に招集される新議会では、任命制の軍人枠を合わせて親軍勢力が86%を占める。国民の間では、国軍トップのミンアウンフライン総司令官の大統領選出が有力視される。 ミャンマー軍政のゾーミントゥン報道官は投票終了後の今月26日、「自由で公正かつ透明性のある選挙を成功裏に実施できた」と主張。「外国の監視団やメディアが立ち会い、有権者の協力もあった」と正当性を強調した。 総選挙に監視団を派遣し、軍政との関係を強める中国の郭嘉昆外務省報道官は26日の記者会見で、「高い投票率でしっかりと秩序だった総選挙が行われたことを祝福する」と述べた。 ■国民に無言の圧力 投票率は50%を超える結果となり、国軍は総選挙が民主的に実施されたと主張する。ただ、反体制派は次々に逮捕されており、多くの国民は国軍の無言の圧力を受けて投票した形だ。 20年の前回総選挙で圧勝した国民民主連盟(NLD)は解党され、総選挙に参加できなかった。国軍はNLD指導者、アウンサンスーチー氏らを逮捕し、現在も拘束している。かつて民主化運動を主導し、NLDとは別に改革派政党「人民党」を率いて出馬したコーコージー氏は落選した。 NLD元党員や元官僚などでつくる反軍政組織「挙国一致政府(NUG)」は29日、改めて「偽物の総選挙に合法性はない」と国軍を非難。「20年の総選挙が有効だ」と主張した。NUGは国軍に対抗する武力闘争を今後も続ける方針を示している。

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