サウジ王子に扮した詐欺師、レバノンの政治家たちから金銭詐取

【AFP=時事】レバノン当局は11日、サウジアラビアの王子を装い、聖職者の協力を得て複数の政治家から金銭をだまし取っていた詐欺師について捜査を行っていると発表した。 被害者のほとんどはイスラム教スンニ派だった。元首相を含む複数の政治家がだまされたこのスキャンダルは、レバノンの根深い腐敗を浮き彫りにした。 この詐欺師は自動車整備士のムスタファ・アル・ハシアン容疑者と共犯者のシェイク・カルドゥン・オライメット容疑者で、昨年末に逮捕され、捜査は「ほぼ完了」しているという。 当局者は、「この事件に外国の機関や団体が関与した証拠はない」と述べ、初期調査では詐取に関与したのはこの2人だけであることが示されていると付け加えた。 サウジ方言のアラビア語を完璧に話せるハシアン容疑者は、サウジの「アブ・オマル」王子を装い、レバノンの政治家たちに命令を下し、どの政治路線を取るべきかまで指示した。 シェイクであるオライメト容疑者はハシアン容疑者に対し、自分が知っている政治家の電話番号と情報を提供した。 ハシアン容疑者はこうした政治家に対し、金銭と引き換えにレバノン権力の座に就くのをサウジが支援すると約束したという。 当局者は、「アブ・オマルから接触を受けた複数の政治家が証人として証言し、事実だと認めた」「政治家たちは、支払った金銭は団体や個人への社会福祉・医療支援の形で提供されたもので、政治的便宜を図ってもらった対価ではないと主張している」と述べた。 レバノンでは外国からの干渉が横行しており、対立する各宗派がそれぞれ中東や世界の大国からの支援を求めている。 サウジはかつて、レバノンのサード・ハリリ元首相をはじめとするイスラム教スンニ派政治家たちの主要な支援国だった。 サウジは数年前、レバノンが親イラン民兵組織ヒズボラの支配下にあると主張し、ハリリ氏への支持を撤回し、レバノン政界から距離を置いた。ヒズボラは最近、イスラエルとの戦争で弱体化している。 レバノンのスンニ派コミュニティーは、ハリリ氏が政界から身を引く決断をしたことで弱体化した。 サウジは昨年、レバノンのジョセフ・アウン大統領の選出を支持した。アウン氏は同3月にサウジの首都リヤドを訪問。両国関係の改善を象徴する出来事となった。【翻訳編集】 AFPBB News

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