女児2人殺害、飯塚事件の再審請求を棄却 平成20年に死刑執行 福岡高裁

福岡県飯塚市で平成4年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑が確定、20年に執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚=執行時(70)=の第2次再審請求審で、福岡高裁(溝国禎久裁判長)は16日、再審開始を認めなかった福岡地裁決定を支持し、弁護側の即時抗告を棄却した。弁護側は男女2人の新証言などから元死刑囚は「犯人ではない」と訴えていた。これまで死刑執行後の再審が認められた例はない。 確定判決は元死刑囚が平成4年2月20日、登校中の女児2人=いずれも当時(7)=をワゴン車に乗せて略取・誘拐して首を絞めて殺害し、遺体を福岡県内の山中に遺棄したと認定した。 直接証拠はなく、元死刑囚は無実を主張。しかし、確定判決は、最後に女児を目撃したとされる女性の供述から連れ去り時間や場所を絞り込み、その頃に近くで目撃された不審車両の特徴が元死刑囚の車と同じだったことや、現場に残された犯人のものとみられる血液と元死刑囚のDNA型が一致したことなどの複数の状況証拠から、元死刑囚による犯行と認めた。 ただ認定に使われたDNA型鑑定の手法は当時まだ確立されておらず、第1次再審請求審で裁判所は、現場の血液のDNA型が1つに絞り込めず、「元死刑囚と一致しない可能性もある」と指摘した。さらに弁護団が第2次請求で提出したのが、「最後の目撃者」の女性など男女2人の新証言だった。 女性の新証言は、女児らを見たのは実際には事件当日ではなかったのに「警察に押し切られて記憶と異なる供述をした」というもの。弁護団は、新証言によって誘拐現場や犯行時間帯が特定できなくなり、「元死刑囚の車と事件を結びつける根拠はなくなる」と訴えた。 もう1つの証言をしたのは、事件当日、元死刑囚とは特徴の異なる男が運転する車に被害女児に似た2人が乗っているのを見たという男性。男性は事件当時もこうした内容を警察に通報し、事情聴取を受けたというが、再審請求審で検察側は「そのような捜査記録は見当たらない」とした。 令和6年6月の福岡地裁決定は、いずれの新証言についても信用性を否定し、再審請求を棄却。弁護側が福岡高裁に即時抗告していた。

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