肥後銀行に勤める女性が当時、支店長だった男性から複数回にわたり、性被害を受けたとして、銀行と元支店長に損害賠償を求め、熊本地裁に20日、提訴しました。 【原告代理人 阿部 広美 弁護士】 「女性が自立して働いていく中で、セクシュアルハラスメントは非常にリスクが大きい。まさに『魂の殺人』と呼ばれる事態に至ってしまう」 提訴したのは、肥後銀行に勤める29歳の女性です。※現在は休職 訴状などによりますと、女性は熊本県内の支店に勤めていた2023年12月にあった忘年会の後と翌年1月にあった新年会の後に、男性支店長から社宅に呼ばれて酒を飲まされ、「やめてほしい」と懇願したにもかかわらず、体を押さえつけられるなどし、複数回にわたって性的な行為をされたということです。 女性は何度も〈死にたい〉と思うようになり、さらには不眠や食欲不振、動悸(どうき)、めまいなどがあり、病院では「急性ストレス障害」や「心的外傷後ストレス障害、PTSD」と診断され、出勤できない状態が続いているということです。 女性は「支店長という立場と多くの行員に参加が義務付けられている行事の機会を利用したものであり、銀行は支店長に対して、十分な教育を行うこともなく重責に置いていた」などとして、肥後銀行と元支店長に5530万円あまりの損害賠償を求めています。 【原告女性の母親】 「肥後銀行は熊本でも認知度が高く、大学では『ホワイト企業』と言われ、喜んでいたのに、その職場で被害に遭って・・・娘の人権が踏みにじられたと思った」 【原告女性の父親】 「私たちが求めているのは復讐ではありません。娘の尊厳が回復されること。同じような被害が二度と繰り返されない社会をつくること」 この問題をめぐり、元支店長は不同意性交等致傷の疑いで、おととし6月に逮捕され、「嫌疑不十分」で不起訴処分となっています。 また、労働基準監督署により、『業務災害』に認定されているということです。 この訴えを受けて、肥後銀行はTKUの取材に、「訴状が届いていないので、コメントできない」としています。