香港政府は23日、香港での反政府的な動きを取り締まる中国の「香港国家安全維持法」(国安法、2020年6月施行)の施行規則を改正したと発表した。これにより、香港警察は国安法に違反した疑いのある人物に対し、携帯電話やコンピューターのパスワードの開示を求めることが可能になった。 開示要求に従わない者は、最長1年の禁錮刑および最高10万香港ドル(約202万円)の罰金が科される可能性がある。「虚偽または誤解を招く情報」を提供した個人に対しては、最長3年の禁錮刑が科される可能性がある。 この措置は、香港政府がこの日発表した、国安法の規則改正の一環。 香港では、2019年に民主化を求める大規模デモが起きたことを受け、反政府的な動きを取り締まる中国の国安法が翌2020年に導入された。当局は、テロ行為や香港の分離独立といった行為を対象とするこれらの法律が、香港の安定のために必要だと主張している。一方、これらの法律が反体制派の意見を封じ込めるために利用されているとの声もある。 今回の改正により、税関当局にも「扇動的意図を有する」と判断した物品を押収する権限が付与された。 香港当局は23日、今回の改正について、「国家の安全を危険にさらす活動の効果的な防止・抑制・処罰と、個人および団体の合法的な権利と利益の適切な保護」を確保できるようになると説明した。 国安法の施行規則の改正は、立法会(議会)での手続きを経ずに、香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官が発表した。 世界の多くの地域でも、法執行機関に、刑事捜査の一環として電子機器へのアクセスを要求する権限が与えられている。しかし国安法の場合、分離独立や転覆行為、テロ、外国勢力との結託など、定義があいまいで広範な行為を犯罪と規定している。 国安法は、一部の裁判を非公開で行うことも認めている。 同法が施行されて以降、香港では数百人もの抗議者や活動家、かつての野党議員らが逮捕されている。 今年2月には、香港の裁判所が、亡命中の民主派活動家、郭鳳儀(アナ・クウォック)氏の父親に対し、国安法違反で8カ月の禁錮刑を言い渡した。国外にいる指名手配中の活動家の家族が、国安法の対象となったのは初めて。 郭氏の父、郭賢生氏は2月初めに、逃亡中の指名手配犯の金融資産を扱おうとした罪で有罪判決を受けた。娘が2歳の時に、彼女のために加入した保険から、約1万1000ドルを引き出そうとしたことが理由とされている。 同じく2月、香港の裁判所は、香港メディア界の大物で民主化活動家の実業家、黎智英(ジミー・ライ)氏に、国安法違反などの罪で禁錮20年を言い渡した。 同氏は昨年12月、国安法に基づき、外国勢力と結託した罪などで有罪判決を受けていた。2020年12月以降、収監されている黎氏は、無罪を主張している。 (英語記事 HK police can now demand phone passwords under new national security rules)