マイアミ、フロリダ州、4月2日 (AP) ー 反捕鯨活動家ポール・ワトソン氏が設立した団体が運航する船舶が3月31日、南極沖でノルウェーのオキアミ漁船と衝突した。船主側はこれを「テロ攻撃」に例え、乗組員の安全を脅かし、活動家らが保護を主張する環境的に敏感な海域で災害を引き起こしかねなかったと述べた。 ノルウェーのアーケル・バイオマリン社がAP通信に提供した2分間の映像には、3月31日の出来事として、キャプテン・ポール・ワトソン財団が運航する「M/Vバンデロ」が「アンタラクティック・シー」の船尾に向かってゆっくりと進み、わずかに角度をつけて同漁船の左舷に衝突する瞬間が映っている。 この衝突は、南極オキアミの将来を巡り、極寒の南大洋で激化している争いを浮き彫りにしている。南極オキアミはエビに似た甲殻類で、クジラの主食であり、地球温暖化に対する重要な緩衝材であると同時に、健康サプリメントや魚粉などの原料としても需要が高い。 アーケル社は1日、「M/Vバンデロ」が漁船のディーゼルタンクに数センチの差で衝突するところだったと述べ、多種多様なクジラ類、アザラシ、海鳥が生息する海域を危険にさらしたと指摘した。これらすべての生物は、海に豊富に生息するものの環境的に脆弱なオキアミを餌としている。 同社によると、多国籍の乗組員は動揺したもののけがはなく、あらゆる法的措置を講じる方針だ。同社はアルゼンチンとチリの海軍当局に通報しており、いずれかの国が衝突が発生した南極半島付近の海域に艦艇を派遣している。 アーケル・バイオマリン社のCEOマッツ・ヨハンセン氏は、南極海で10年以上ぶりとなるこの衝突は同社にとって不意打ちであり、「テロ攻撃」に似ていると述べた。 「これは危害を加えることを意図したものであり、イデオロギー的あるいは政治的な見解に基づくもので、南極が管理されるべき姿ではない」とヨハンセン氏はインタビューで語った。 反捕鯨活動家ポール・ワトソン氏はその表現に異議を唱え、この行動を意図的ではあるが穏やかな「軽く押す」行為に例えた。これは、彼が半世紀にわたり公海で実践してきた「攻撃的な非暴力」の一種を示すものだという。 「誰もけがをしないように注意しており、我々がしたことは彼らの船の塗装を少し剥がしただけだ」と、ワトソン氏は述べた。 フランスの活動家ラミヤ・エッセムラリが率いる「M/Vバンデロ」の乗組員は、ワトソン財団が「オペレーション・クリル・ウォーズ」と呼ぶ活動の一環として、2月にオーストラリアを出発。31日の事件は、バンデロの乗組員が、アーケル社の2隻の漁船の操業を妨害するために巨大な金属製網破砕装置を発射し、5時間に及ぶ緊迫した対峙の末に起きた。 ワトソン氏は1970年代に世界的な海洋保護団体「シー・シェパード」を設立し、公海での対立で船舶への体当たりやその他の攻撃的な戦術で数十年にわたり恐るべき評判を築き、そのせいで繰り返し投獄されてきた。彼は2024年、日本の逮捕状に基づきグリーンランドで5カ月間拘束されたが、その後デンマークによってその逮捕状は却下された。日本の海上保安庁は、2010年の遭遇事件をめぐりワトソン氏の逮捕を求めていた。その際、同氏は自身の船の船長に対し、日本側が「捕鯨調査船」と称する船舶に向けて爆発物を投げるよう命じたと非難されていた。 (日本語翻訳・編集 アフロ)