「血が付いた金で西欧で豪華生活」…イラン特権層の二重生活(1)

2025年10月、イランの首都テヘランの高級ホテル。深く胸元の開いた純白のウェディングドレスを着た美しい新婦が長い髪を揺らしながら出席者の前に姿を現した。新婦をエスコートする父はアリ・シャムハニ元イラン国家安全保障会議事務局長だ。イラン最高指導者だったアヤトラ・アリ・ハメネイ師の政治顧問で、イラン屈指の最高位層人物だったが、2月28日の米国とイスラエルによるイラン空襲でハメネイ師とともに暗殺された。 この姿はSNSで論議を呼んだ。イランでは女性のヒジャブ着用が法で義務づけられている。2022年に22歳の女性マフサ・アミニさんがヒジャブを着用しなかったという理由で逮捕・拘禁されて後に疑問死した事件は厳格な統制を象徴する。しかし最高位層の人物の娘がヒジャブを着用せず露出の多い衣装を着て公開活動する姿が捕捉され、国民の怒りを招いた。 ◆国民は統制、アガザデは豪華生活 シャムハニ氏の娘のような特権層は「アガザデ」(ペルシャ語で特権階級の子女という意味)と呼ばれる。アガザデは高位聖職者やイスラム革命防衛隊(IRGC)幹部など高位層の子女や親族を表す言葉で、イラン政権は一般国民には理念的統制を強要しながらも、アガザデは国内外で豪華生活をする二重的な面で批判を受けている。 しかしアガザデは単に豪華生活を楽しむだけではないという分析もある。イラン政権が海外での影響力拡大のために組織的にアガザデを活用しているという。米FOXニュースは先月21日の報道で「現在アガザデは西側国家で永住権を受け、事実上その国の国民として暮らしながら、同時に親イラン・反米活動をしている」と説明した。 カナダに居住するイランの亡命ジャーナリスト、マフディ・ガディミ氏によると、西側国家でアガザデの役割は大きく2つに分けられる。一つは留学生や学者など平凡な移民者のように見える集団であり、大学で影響力を形成して情報を収集する役割をしている。その一部はIRGCと直接つながっているという。 もう一つはイラン政権の資金支援の役割を担う集団だ。数百万ドルの大金を持って投資家や企業家のように装って西側国家に入国した後、その資金で不動産などの事業をしながらイラン政権を支援しているという。こうした資金は制裁回避資金または政権内部横領資金と推定される。ガディミ氏はFOXニュースに「アガザデは西側社会全般に組織的に浸透していて、イラン政権が批判の対象でなく正当な体制であることを宣伝する役割をしている」と指摘した。 現在、米国など西側国家に滞在中のアガザデは数千人と推定される。英タイムズの1月の報道によると、元イラン高官は「米国には約5000人のアガザデが暮らしている」と主張した。

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