「半世紀前に入学しましたが…」 東大入学式で野田秀樹さん祝辞

東京大の入学式が13日、東京都千代田区の日本武道館で開かれた。藤井輝夫学長は式辞で「みなさん一人一人の好奇心と想像力と情熱が、これからの世界に新たな『知』をもたらす源となることを心から期待しています」と述べた。2025年以降相次いだ不祥事には触れなかった。 劇作家の野田秀樹さんは祝辞で、およそ半世紀前に文科1類に入学したものの演劇にのめり込んで6年後に中退したという自身の経歴を紹介し、来場者の笑いを誘った。 発展が著しい人工知能(AI)について「人間の蓄積してきた記憶から生まれた化け物」と表現する一方、AIには身体がなく、それに根ざす心もないため効率的な思考を重視するとして、戦争を例に「極論を言えば、核爆弾を落とすことさえも示唆するはず」と指摘。新入生に「とりわけ頭が良いあなた方は身体を忘れがち」と注意を促した上で、「人間の未来を決定するのはAIではない、人の心だと私は信じています」と結んだ。 26年度の新入生は学部が3123人(うち女性671人、21・5%)、大学院4908人(女性1302人、26・5%)。多くの入学生は黒や濃紺のスーツ姿で、緊張した表情で式典に臨んだ。 東大を巡っては、25年秋~26年1月、医学部付属病院の医師らが賄賂を受け取ったなどとして相次いで逮捕され、いずれも収賄罪で起訴された。藤井総長は4月、付属病院を医学部から切り離し大学本部直轄とするなどのガバナンス改革策を打ち出している。【斎藤文太郎】

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