たった一冊の古雑誌が、高級マンション並みの値段に——。 「2026年4月、米人気インフルエンサーで、WWEレスラーとしても知られるローガン・ポール氏が、『週刊少年ジャンプ』の伝説号を入手したニュースが海外で大きな話題になりました。報じられた購入金額は55万ドル、日本円にして約8740万円。『ドラゴンボール』第1話掲載号と『ONE PIECE』第1話掲載号とされています」(全国紙社会部記者) かつて少年たちが小遣いを握りしめて買い、読み終えれば部屋の隅に積んでいた雑誌が、いまや海外の著名インフルエンサーが札束を積む“お宝”になっているのだ。 2025年6月には、『ONE PIECE』第1話掲載号の偽造品をめぐる事件も起きている。 「愛知県警は、無断複製された『週刊少年ジャンプ』などを販売目的で所持していたとして、台湾籍の男女3人を著作権法違反容疑で逮捕しました。中国で作られた海賊版がメルカリなどに出品され、国内で発送されていたとも報じられています。同号は15万円以上で転売されるケースもあり、偽造品が出るほど市場が過熱していることがうかがえます」(前同) 日本国内でも高騰は起きている。 「中古マンガやアニメ関連グッズ、同人誌、古書などを扱う専門店『まんだらけ』が運営するオークションでは、『ドラゴンボール』第1話掲載の『週刊少年ジャンプ』1984年51号が380万円で落札されました」(同) なぜここまで値段が跳ね上がったのか。古美術商でライターの山内貴範氏は、古いマンガ雑誌の人気について、こう語る。 「国内でも、古い『ジャンプ』や『サンデー』にはもともと一定の人気がありました。80〜90年代に子どもだった世代が大人になり、“当時読んでいた雑誌をもう一度持ちたい”というノスタルジー需要が出てきたんです」 ただ、昔のプレミア雑誌は、今ほど投資商品めいたものではなかったという。 「かつては、単行本未収録回を読みたい、資料として持っておきたいという需要が中心でした。ところが今は、読むためだけでなく、表紙を飾り、所有することに価値が見いだされています。“飾りたい一冊”であることが、大きなポイントなんです」(前同) その価値をさらに押し上げたのが、海外人気だ。集英社の海外向け公式マンガ配信サービス『MANGA Plus by SHUEISHA』は、2024年6月時点でアプリ累計3000万ダウンロードを突破。海外読者が日本の人気作をリアルタイムに近い形で追える環境が整っている。山内氏は続ける。 「大きな変化が起きたのは、2020年以降です。コロナ禍でNetflixなどの動画配信サービスが広がり、海外で日本のアニメを見る人が急増しました。そこで日本のマンガやアニメに対する熱量が、世界中で一気に高まったわけです」 同時に、腕時計やヴィンテージ玩具、アンティークコインなどの“現物資産”への関心も高まり、その流れで古いマンガ雑誌にも投資・投機マネーが入り込んできたという。 「純粋なファンやコレクターだけでなく、投資目的の人も入ってきていますし、海外の買い手も非常に多い。日本国内だけでは、ここまで異常な高騰にはなりにくいと思います」(同)