冤罪被害者救う法改正を、国会審議前に訴え 白鳥決定の5月20日に

再審制度見直しのための刑事訴訟法改正案に関心を持ってもらおうと、人権団体のメンバーらが20日、金沢市内の街頭に立った。国会で近く審議が始まる政府法案への懸念をアピール。逮捕から再審無罪まで38年がかかった「福井事件」などを挙げ、冤罪(えんざい)被害者の救済を実現する法改正が必要だと呼びかけた。 再審をめぐっては刑訴法の規定が乏しく、捜査機関の持つ証拠が開示されなかったり、再審開始決定が出ても検察官が不服申し立てをしたりして救済が阻まれているとの指摘がある。 1975年5月20日には、再審開始の判断でも「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が適用されると明示した「白鳥決定」を最高裁が出した。「開かずの扉」といわれる再審に光明をもたらしたとされ、20日前後に各地でイベントが企画されている。 金沢市の近江町市場近くでは、冤罪事件の支援にあたってきた日本国民救援会石川県本部など3団体の約10人が集合。15日に政府が国会に提出した法案について、証拠開示の範囲が制限され、検察抗告の道が残されていると訴えた。 マイクを握った、県本部事務局長の田畑吉広さん(76)が問題視した項目の一つが、開示された証拠の「目的外使用の禁止」だ。法案では、再審手続きやその準備以外で使うことを罰則つきで禁止している。 田畑さんは、再審請求審は通常の裁判とは違って非公開だとし、「証拠を社会に示すことができなくなれば、問題点が見えなくなる」と主張した。取材に対し、1966年に静岡県で起きた一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(90)=再審無罪=の支援者らが、開示されたカラー写真をもとに弁護団と実験に取り組んだことに言及。「国民が知る機会を奪われるのは、許されない」と話した。(荻原千明)

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