“トクリュウ”対策の「T3」とは?栃木・上三川町強盗殺人事件を受け警察庁が捜査情報を警視庁に集約する異例の指示

栃木の強盗殺人事件を受け、警察庁が捜査情報を警視庁に集約する異例の指示を出した。 “トクリュウ”関与が疑われる広域犯罪の全容解明に向けた警察の対応策「T3」とは…。 ◆警察庁が異例の対応…警視庁「T3」とは 栃木・上三川(かみのかわ)町の強盗殺人事件を受け、警察庁が異例の動きに出た。 警察庁長官が21日の会見で、全容解明へ異例の対応を明らかにした。 警察庁・楠芳伸長官: 匿名・流動型犯罪グループを治安対策上の最重要課題と位置づけ、全国警察を挙げて対策を強化する必要があるものと認識いたしております。(警視庁への)関連情報の集約分析を推進し、取り組みを強化してまいりたいと考えております。 警察庁は、今回の強盗殺人事件について、“トクリュウ”による広域的な事件の可能性があるとして、関連する事件の捜査情報を警視庁に集約するよう指示したという。 そこにある狙いを、フジテレビの平松秀敏解説副委員長は…。 フジテレビ・平松秀敏解説副委員長: 日本の警察というのは、事件が起きたところの警察が捜査を担当するという、そういう大原則がある。栃木で起きた事件を警視庁が主体的に捜査するというのは非常に異例なこと。 (栃木の事件は)不審者の情報が寄せられていたにもかかわらず、結局は事件発生を許してしまった。国民の信頼を今回はある意味裏切ってしまった部分があるわけですよ。 だからこそ、是が非でもこの首謀者に行き着かなきゃいけない。 そのためにはやっぱり警視庁に新しく設置された「T3」を活用するという、そういう狙いがあるんだと思います。 警視庁の「T3」。それは、2025年に発足した「“トクリュウ”ターゲット・取り締まり・チーム」の略称。 全国の警察から精鋭の捜査員も集結した“トクリュウ”の専従捜査班だ。 フジテレビ・平松秀敏解説副委員長: 警視庁のプロフェッショナルの部隊に捜査を託すという警察の威信をかけた戦いだと言っていいと思います。 警察の見立てとして、1つの首謀者がこの1カ月余りの事件の構図を組んだというよりも、別々のグループなんじゃないか、それの黒幕もまた別なんじゃないか、という見立てをしている捜査関係者が結構いるんで。 ◆各地で“トクリュウ”によるとみられる事案多発 栃木・上三川町の住宅で、富山英子(とみやま・えいこ)さん(69)が殺害された強盗殺人事件が起きたのは、5月14日。 実はその前後、各地でトクリュウによるとみられる事案が相次いで発生、その奥に、複数の“黒幕”がいる可能性があるという。 鹿児島県警は、佐賀県の住宅に強盗目的で侵入しようとした疑いで、21日までに男5人を凶器準備集合や強盗予備の疑いで逮捕・送検。 そのうち3人は、鹿児島・出水市内の路上で車の中にバールなどを所持していたところを現行犯逮捕され、その後、在宅確認のために関係先に電話をかけた男と現金回収役の男が逮捕された。 押収された物は、黒いスーツケース1つと、ほかにリュックサックのようなものが2つ。 凶器とみられるバールが1本に、カッターナイフが2本。 窓を割るためか、ガスバーナーまでも準備していた。 数が不ぞろいなのは、役割分担のためだろうか。 確認できる目出し帽や凶器は3つ。 実行役は3人ということか…。 一方で、手袋は5着。 さらに、犯行現場に足跡が残ることを警戒したのか、まだタグがついている新品の靴が2足。 そしてなぜか、スマートフォンは9台も… 逮捕された男5人は、神奈川県や徳島県などから集まり、中には19歳もいた。 4人については22日、不起訴処分となった。 さいたま市緑区では、1日に住宅の敷地内へ侵入し1階窓のシャッターを壊した疑いで、22日までに男2人が逮捕・送検された。 21日、東京・新宿区四谷でも、大通り沿いの路上で、男らや捜査員が入り乱れ、現場は騒然。 「買い取り店に持ち込まれる金塊が狙われる」との情報を事前に把握した警視庁が、現れた男らを逮捕した。 警棒を持って集まり、強盗の準備をした疑いで逮捕されたのは男6人。そのうち3人は少年だった。 周辺では、今年2月にも強盗未遂事件が発生。 貴金属店に「排水設備の点検」を装った男4人がバールを持って押し入った。 この時、実行犯として逮捕された男3人のうち1人も17歳の高校生の少年だった。 フジテレビ・平松秀敏解説副委員長: 今後も少年がリクルートされて、事件自体が凶悪化していく可能性は否定できない。 さらに、狙われやすいのは少年のほかにも。 フジテレビ・平松秀敏解説副委員長: 2022年以降、警察はトクリュウの取り締まりを徹底的に行っていて、特殊詐欺を含めてだいたい1年間に1万人規模の逮捕者が出ている。となると、実行犯のなり手不足が起きているのではないか。 では、どこに目をつけてリクルートするかというと、未熟な考え方を持っている少年だったり、よく理解できていない外国人だったり、あるいはお金に困っている高齢者だったり、こういう人たちをターゲットにしている。実際、最近は外国人や高齢者の逮捕者も非常に多いんですよ。 新たな犯罪の担い手を見つけながら事件を起こし続けているとみられる“トクリュウ”。 警察の威信をかけた捜査で、その波を食い止めることができるのか…。 (「Mr.サンデー」5月24日放送より)

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