難航必至か…。巨人は家庭内のトラブルから逮捕された阿部慎之助前監督(47)が辞任したと26日に発表した。伝統ある人気球団を率いた現役監督の逮捕、シーズン真っただ中での辞任は日本中に衝撃を与えたが、思わぬ形での退任は次期監督を巡る後任人事にも大きな影響を与えそうだ。 姉妹のケンカを止めに入った父親が逮捕され、監督辞任にまで至った。25日夜に18歳の長女を投げ飛ばすなどの暴行容疑で現行犯逮捕された阿部前監督はこの日深夜に釈放され、山口オーナーに辞意を申し入れた。山口オーナーも「暴力は許されない」「私も監督を続けることは許されないと考えておりました」と断固とした姿勢で受理。前代未聞の辞任が電撃決定した。 都内の球団事務所で会見に臨んだ阿部前監督は「伝統ある巨人軍の監督という名も汚してしまい、深く謝罪したい」と頭を下げ「こういう形で…去るってことは」と言葉を詰まらせ「本当にご迷惑をかけてるなと…思います」と涙も流した。同席した関係者からは長女からの〝手紙〟として「父とこのような大掛かりなケンカは初めてのこと」「警察が来て一番驚いているのは自分自身」「父とは仲直りしております」と代読された。 残りのシーズンは阿部前監督の母校・安田学園高校の先輩でもある橋上オフェンスチーフコーチが監督代行を務め、この日のソフトバンク戦(東京ドーム)から指揮を執った。 そして、今後の大きな焦点となるのは来季以降の監督人事だ。阿部前監督は今季が3年契約の最終年。就任1年目の2024年にはリーグ優勝も果たしたが、任期途中での辞任を余儀なくされた。監督の任命権を持つ山口オーナーは、来季以降の監督人事について「全くの白紙です」と述べるにとどめた。 事情はどうあれ、球団にとって阿部前監督の辞任が痛手であることに変わりはない。巨人では「生え抜き」や「4番」「エース」といったチームの顔として活躍したスター選手が監督を務め、歴史をつないできた。こうした伝統が人気球団としての価値を高めてきた半面、狭き門となって〝人材難〟を招いてきたと指摘するOBも少なくない。そして、今回の阿部前監督のトラブルにより、次期監督には新たな〝条件〟が加えられる可能性もあるという。 「コンプライアンスが厳しくなっているご時世、球団としては何とかしてこの不祥事のイメージを払拭したいところ。昭和の『体育会気質』を持つOBは登用しにくいだろうし、そうなるとますます対象は限られてくる」(チーム関係者) 阿部前監督は19年限りで現役を引退した後、翌20年から二軍監督や一軍ヘッドコーチなどを歴任。原辰徳元監督の下で指導者としての経験を積ませ、満を持して第20代監督の座に就かせた。その阿部前監督が監督業を離れざるを得なくなったことは、誤算も誤算だろう。 脈々と受け継がれてきた巨人の伝統を継承していくのであれば、阿部前監督の後任監督探しがさらに難航することは確実。「逮捕」という消えることがない現実は今後も重くのしかかる。