クウェートに侵攻したイラクに対して、アメリカ主導の多国籍軍が戦った「湾岸戦争」が始まった1991年、当時、小竹広子さんは浪人生活を送っていたが、反戦運動に身を投じる中で進む道を大きく変えた。 中学生のころは「海外の無医村で医療支援に携わりたい」と医者を志していたが、「ジャーナリストになりたい」と思うようになり、早稲田大学政治経済学部に進学。実家の事業失敗や出産など、紆余曲折を経た末に司法試験に合格した。 現在、産業カウンセラーや家族相談士の資格も持ち、刑事事件の被告人となった彼・彼女たちの弁護人を引き受けるだけでなく、カウンセリングの知識・手法を応用して社会復帰のサポートにも携わる。 罪を犯した人とも密に関わるなど、"普通の弁護士はあまりやらないこと"を続けてきた小竹さんは、自身の弁護士としてのスタイルをどのように築いてきたのだろうか。(取材・文/塚田恭子)