日本が「稼げない国」になったここ数年、日本人女性が「海外出稼ぎ売春」を行っているという報道が増えた。中国のマカオ、韓国といった近隣国から、米国、カナダ、オーストラリアなど出稼ぎ先は様々だ。実際、今年の4月には出稼ぎ売春の斡旋をしたとしてデートクラブ運営会社社長が逮捕され、「3年間で200~300人を派遣した」と供述している。 だが、実は日本人女性の海外出稼ぎは昔にもあったのだ。その代表格として知られるのが、「からゆきさん」だ。 ノンフィクション作家・八木澤高明さんが全国19ヵ所を歩き、日本の“裏面史”を迫力の写真とともに記録した『忘れられた日本史の現場を歩く』(辰巳出版)では、明治時代にインドへ身売りされた女性の足跡を追っている。この「からゆきさん」には、どんなストーリーがあったのだろうか。以下、同書より抜粋して紹介する。 ***