ドキュメンタリー映画を高く評価された伊藤詩織、ネタニヤフ首相に逮捕状を出したICCの赤根智子─2024年に世界が注目した日本人

2024年に世界が注目した日本人 「社会・報道」部門 1 伊藤詩織(ジャーナリスト) 元TBS所属の山口敬之から性暴力の被害を受け、声をあげて日本の、大勢の人々を勇気づけると同時に激しいバッシングを受けてきた伊藤詩織。自身で調査をし、訴訟を起こし、事件と向き合い続けた彼女の闘いを振り返るドキュメンタリー映画『ブラック・ボックス・ダイアリー』が、2024年に公開された。 同作は2024年のサンダンス国際映画祭で上映されたことを皮切りに、数々の映画祭で18の賞を、ドキュメンタリーのアカデミー賞とも言われているIDA(International Documentary Association)ドキュメンタリー賞で新人監督賞を受賞している。さらに、第97回アカデミー賞の、長編ドキュメンタリー映画賞のショートリストにも選出された。日本人として初のことだ。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」は伊藤にインタビューをしている。記事中では、サンダンス映画祭のプログラミング・ディレクターを務めるキム・ユタニの「社会全体を、そして私たち一人ひとりを包み込む大きな癒しの力を持っている。唯一無二の作品」との評価を紹介した。 また、米紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「このドキュメンタリーの鮮烈なルポルタージュからは、伊藤の綿密なジャーナリズムの才能と……無予算で映画を制作する者としての機知が感じられる」と報じている。同作はテレビジャーナリストであるハンナ・アクヴィリンと伊藤の二人で撮影しているのだ。これに関して彼女は、次のように語っている。 「正式なカメラマンがいなければ、正式な音声スタッフもいない。もっと映画的に、もっといい音響で撮影できたら、さらによかったかもしれません。でも結果的には、誰からもプレッシャーをかけられなかったからよかったです」 11月の時点で、ニューヨーク・タイムズは「年末までに『ブラック・ボックス・ダイアリーズ』は50以上の映画祭で上映され、英国のほか、ベルギー、カナダ、オランダ、シンガポール、タイで上映される予定だ」と報じている。だが日本での上映予定はまだない。 同作における目標のひとつとして、伊藤は「まだ配給が決まっていない日本で上映すること」をロサンゼルス・タイムズに語っている。

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