「餃子(ギョーザ)の王将」を展開する「王将フードサービス」(京都市山科区)の社長だった大東隆行さん(当時72)を射殺したとして、殺人などの罪に問われた特定危険指定暴力団・工藤会系組幹部、田中幸雄被告(59)の裁判が29日に京都地裁で開かれる。検察側の論告求刑や弁護側の最終弁論があり、この日に結審する。 起訴状によると、田中被告は2013年12月19日、本社前駐車場で大東さんを拳銃で撃って殺害したとされる。京都府警が事件直後に現場近くでたばこの吸い殻2本を採集し、吸い殻の唾液(だえき)のDNA型が被告のものと一致したことなどから逮捕、起訴された。 初公判は昨年11月。被告は「私は決して犯人ではありません。『決して』がつきます」と無罪を主張した。これまで計10回の公判が開かれ、証人尋問などが行われてきた。 犯行の目撃証言など、被告が殺害したと明らかに示す直接証拠はない。その中で検察側は、警察官や王将の従業員など30人以上を証人に立てた。たばこの吸い殻や犯行に関与したとされる車両など、間接的な証拠から被告の犯行を主張してきた。 弁護側は被告の妻を証人に立てた。事件当日に「主人に家から(福岡県内の)ハローワークまで車で子どもと送っていってもらったかもしれない」と証言した。公判では被告人質問も検討されていたが、被告が質問に答えない意思を示したため、行われなかった。 判決は10月16日に言い渡される予定。(佐藤道隆)