「一件落着になると思うと大変うれしい」逮捕から58年 袴田巖さん無罪確定へ 検察が控訴を断念=袴田事件

袴田巖さんの再審=やり直しの裁判で静岡地裁が袴田さんに無罪判決を言い渡したことを受け、検察が控訴をしないことを明らかにしました。袴田さんの無罪が確定します。 袴田巖さん88歳。検察が10月8日、控訴をしないことを明らかにしました。これにより、袴田さんの無罪が確定します。一報を受けた姉のひで子さんです。 <袴田ひで子さん> 「たまたまいた人と、大いに盛り上がりました。これでやっと一区切りつくと思ってうれしいです。一段落というか、一件落着になると思うと大変うれしいです」 1966年、旧清水市で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」。逮捕された当時30歳の袴田さんは1980年に死刑が確定しました。2014年、再審=裁判のやり直しが認められ、48年ぶりに拘留が解かれましたが、死刑執行の恐怖により袴田さんは精神が不安定になる「拘禁症」が残りました。 そして、9月26日― <井手春希アナウンサー> 「無罪判決の旗が出されました」 再審で静岡地裁は、袴田さんに「捜査機関により証拠がねつ造された」として無罪を言い渡しました。 <袴田ひで子さん> 「裁判長さんが無罪だって」 この判決に対し、弁護団などは検察が控訴をしないよう法務大臣に要望書を提出するなど、活動を続けてきました。 <袴田弁護団 小川秀世弁護士> 「もともと控訴はしないと確信を持っていたので、ある意味当然。ほっとした」 再審に関する法律の改正を目指す鴨志田祐美弁護士は、今回の方針について「控訴断念は当然の決断。袴田さんの冤罪が確定するまでになぜここまでの時間がかかったのか刑事司法の在り方を見つめ直さないといけない」と話しています。

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