社会がオウム真理教の黒い影に覆われていた1995年7月、福島県でカルト宗教絡みの異様な殺人事件が発覚した。女祈祷師から精神的に支配された信者が、おなじ信者を太鼓のバチで叩くなどして殺害。しかも死亡者は6人に上り、警察が踏み込んだ際はその腐乱死体とともに生活していたという「福島悪魔祓い殺人事件」である。 人の不安や悩みにつけこみ、ついには心を乗っ取る。このやり口は現在も衰えず、むしろSNSなどによって広範囲で行われるようになり、多数の被害者を生んでいる。事件を報じた「週刊新潮」のバックナンバーからも、つい最近の事件に思えるような、ある種の普遍性を感じるだろう。国内外で不安の種が増える一方のいま、過去の事件から得る教訓は多い。 (全2回の第1回:以下、「週刊新潮」1995年7月20日号掲載記事を再編集・加筆しました。文中の年齢は事件発生当時のものです) ***