東京都板橋区の踏切で2023年12月、塗装会社元社員の高野修さん=当時(56)=を自殺に見せ掛け殺害したとして元同僚4人が逮捕された事件で、殺害の約5カ月前にも「プロレス技」をかけたなどとして、警視庁捜査1課は8日、暴行容疑で、同社社長佐々木学容疑者(39)ら3人を再逮捕する方針を固めた。 捜査関係者への取材で分かった。 同課は高野さんが繰り返し暴行を受けて心身ともに追い込まれ、踏切内に入るよう迫られた際も逃げたり抵抗したりできなかったとみて、詳しい経緯を調べる。 捜査関係者によると、ほかに再逮捕されるのは同社社員の島畑明仁(34)、岩出篤哉(30)両容疑者。3人は23年7月、出張で宿泊していた静岡県内のホテルで、高野さんを抱えて逆さまにし、頭から床に落とすなどの暴行を加えた疑いが持たれている。 高野さんは15年2月に同社社員になったが、仕事上のミスなどを理由に佐々木容疑者らから叱責されるようになった。20年8月にいったん退職したが、21年2月に復職。そのころからいじめがエスカレートしたとみられる。 容疑者の携帯電話からは、高野さんに暴行や性的虐待を繰り返したとみられる写真や動画が見つかった。高野さんはたびたび「できなかったら死にます」などの念書を書かされていた。 佐々木容疑者ら3人と同社社員野崎俊太被告(39)は23年12月2~3日、高野さんを車に監禁した上、板橋区徳丸の東武東上線の踏切に連れていき、電車にはねられるよう仕向けて殺害したとして、昨年12月に殺人と監禁の容疑で逮捕された。島畑容疑者と野崎被告は両罪で、佐々木、岩出両容疑者は監禁罪で起訴されている。