函館地検は18日、殺人未遂罪で起訴された北海道函館市の無職、大川清被告(77)が病気を理由とした勾留執行停止中に入院先の函館市内の病院から行方不明になったことを明らかにした。函館地検は16日に事態を把握したが、大川被告が他者に危害を加える恐れがないことなどを理由に公表を控えていた。地検の志村敬次席検事は「国民の皆様に不安を与えかねない事態になったことは誠に遺憾」と謝罪。地検と北海道警が行方を追っている。 起訴状などによると、大川被告は6月15日夜、函館市の自宅で、殺意を持って妻(78)の頭部を金づちで複数回殴って殺害しようとしたとしている。大川被告は翌16日に道警に逮捕され、7月17日に起訴された。 地検によると、大川被告は8月16日朝、病気による入院加療のため、勾留執行停止となり、函館市内の病院に入院。16日夕ごろに行方不明となった。勾留執行停止はその日のうちに取り消され、大川被告は現在も見つかっていない。関係者によると、大川被告は重い病気を患っている。 勾留執行停止は刑事訴訟法に基づき、被告の病気などで緊急性があると裁判所が認めれば一時的に釈放される制度。裁判所から条件を付けられなければ、入院患者の場合は検察官や警察官が監視することもないという。志村次席検事は今回の具体的な監視体制に言及しなかった一方、「監視状況に問題があったとは考えていない」との認識を示した。 地検は、事件の被害者である妻の安全が確保されたこと▽被告が他者に危害を与える恐れがないこと▽公表により地域住民の不安をあおると判断したこと――を理由に報道発表はせず、地元自治体への報告にとどめたという。志村次席検事は「犯罪事実の詳細や被告の属性、逃走の状況などから、危険性が高いとは認めがたいと判断した。全力を尽くして捜索している」と理解を求めた。【高山純二、谷口拓未】