8月31日、中道改革連合、公明党、立憲民主党の3党は、かねて協議してきた合流問題について、断念という結論を出した。会見では、立憲の水岡俊一代表が合流断念の理由を「安保法制など、政策で溝を埋め切れていない」と説明した。 「誰が合流を嫌がったのかといえば、参院の立憲議員でしょう。もともと水岡代表は、中道との合流までの“つなぎ”という位置づけで選ばれたようなもので、強い指導力があるわけではありません。実質的には同党の田名部匡代(まさよ)参院幹事長が仕切っているようなものです。次の選挙で改選となる田名部議員は、公明に対していい感情を持っていないとされます。そのうえ、立憲の地方組織から上がってくる不満も引き受けなければならない。沖縄県知事選では、公明が自民党系候補に推薦を出すなんてこともありましたから。そんな事情も重なって、合流に慎重になったのでしょう」(政治担当記者) 3党の関係は、最初からこじれていたわけではない。先の総選挙前には、参院の立憲議員と公明議員も含めて、合流する方向で話が進んでいたという。 「2月の衆院選に向けて『中道』として結託した立憲と公明でしたが、結果は公示前の172議席を大きく下回る49議席という“歴史的惨敗”となりました。そのタイミングで、中道の共同代表だった野田佳彦議員と斉藤鉄夫議員が責任を取って辞任。中道の執行部は現在の小川淳也代表となります。 この大惨敗で浮上したのが、参院の公明議員が先行して中道に合流する案でした。ところが、これに立憲議員から『公明色が強くなりすぎる』との猛烈な不満が出ました。すると、今度は公明議員から公明党に戻ればいいという“引き揚げ論”まで噴出したのです。中道の岡本三成政務調査会長らが必死になって説得し、何とか収めましたが、一度でも分裂案が出たことで、両者の間には距離ができ始めました」(同前) とはいえ、今回の合流断念で野党勢力がバラバラになれば、与党側を利することになる。現在、衆院は自民党と日本維新の会が合わせて352議席を擁する。当然、これに対抗するには、野党側もできるだけ大きな塊を作る必要がある。そこで出てきたのが、衆院における立憲と公明による統一会派構想だ。元公明で中道所属の議員が明かす。 「今回の結論について、小川代表は『分党』という言葉を使っていません。公明にカウンター的な立場で小川代表と協議してきた岡本政調会長も、分裂ではないと盛んにアピールしています」 そして、これについては別の思惑が透けて見えるという。 「中道の解散により、与野党協議の当事者となる『野党第1党』の座を国民民主党に渡したくないのでしょう。与野党協議を国民民主に担わせることはできないという認識は、3党とも一致していますから。 それにしても、8月31日は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領へ金品を提供した政治資金法違反罪の疑いで逮捕、起訴された、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁の判決日でした。韓総裁の政界工作は日本でもおこなわれ、議員への贈賄リストがあるとも噂されていて、これが高市早苗政権を直撃する可能性は大いにあります。そんな大ニュースがある当日に合流断念を決めるとは、政治的なセンスがなさすぎです」(同前) 3党は結局、合流するのか、離れるのか。この奇妙な野党再編劇が、国会開幕までに解決するのだろうか。