熊本被災地、生活再建狙う犯罪に用心を 2次避難実施の能登は窃盗3倍増の教訓で警戒強化

7月に最大震度7を観測した熊本県で、警察当局が犯罪への警戒を強めている。被災地では、住民が避難して不在となった住宅からエアコンの室外機が盗まれる事件が発生。過去の大規模災害でも窃盗のほか、高額な費用を要求するリフォーム詐欺など災害に便乗した犯罪が多数確認されている。被災と酷暑で疲弊する住民に追い打ちをかける悪質な犯罪を防ぐため、警察は防犯カメラを増設し、パトロールを強化するなどしている。 熊本県警は8月8日、同県上天草市で被災者の自宅からエアコンの室外機を盗んだとして、窃盗容疑で40代の無職男を逮捕した。被害に遭った住民は地震発生後、近隣の店舗駐車場で車中泊。3日後に帰宅した際、室外機が無くなっているのに気付いた。ほかにも、日本赤十字社をかたり義援金を募集するとした詐欺のメールが確認されている。 熊本県消費生活センターには地震発生から8月19日までに58件の相談があった。ほとんどが損壊した住宅の修繕に関する訪問契約に関するもの。現時点では悪質性が明白に認められる事例はないものの、同センターは「その場で契約せず、複数の業者に見積もりを取ったり、周囲の人に相談したりした上で契約するようにしてほしい」と注意を呼びかけている。 ■能登半島地震では窃盗3倍 地域のつながりで防犯 過去の大規模災害でもこうした犯罪は起きている。平成23年の東日本大震災では、東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た福島県の一部地域で、留守宅などに侵入して家財を盗む侵入盗が増加。令和6年の能登半島地震では石川県の奥能登地方で、窃盗犯の認知件数が急増。地震前年の84件から、7年には242件となった。2次避難などで地元を離れた住民が多く、空き家や留守宅が増加したことが影響しているとみられる。 こうした状況を踏まえ、警察庁は熊本県に防犯カメラを増設する方針を表明。パトロールや捜査活動を担う「一般部隊」として、都道府県警からの応援警察官も派遣された。熊本県警はX(旧ツイッター)も活用して、被災者への情報発信に努めている。 災害時の犯罪に詳しい奈良女子大の岡本英生教授(犯罪心理学)によると、発生から時間がたつにつれて犯罪の内容も変化する傾向にある。

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