「捕まるのはもう分かっていたので、遅かったけど『やっとか』って感じですよね。僕が知っている余罪だけでも数軒ありますよ。あいつを知る人で、お金に汚いことを知らない人はいないぐらい有名でしたから……」 そう肩を落とすのは、元広島東洋カープ・多田大輔容疑者(30)をよく知る球団関係者だ。多田容疑者は9月7日、他人名義のクレジットカードを不正利用したとして警視庁に逮捕された。 「多田容疑者は6月、東京・墨田区の個室ビデオ店で、20代男性のクレジットカードを使用して利用料3500円を支払った疑いが持たれています。警視庁によると、カードはJR錦糸町駅近くで酔って寝ていた男性の財布から抜き取られたものとみられ、調べに対し『金に困っていた』と容疑を認めています」(社会部記者) 徳島県立鳴門渦潮高校から2014年にドラフト7位指名を受け、カープに入団した多田容疑者。189cmの大型捕手として将来を期待されたものの、1軍公式戦への出場は一度もなく、2017年に戦力外通告を受けた。 引退後、多田容疑者は職を転々としたが、その陰にはつねに金銭トラブルがつきまとっていたという。 「多田は2023年から、大阪のボーイズバーで黒服として働いていたのですが、そこでお客さんの財布から100万円を盗むトラブルを起こしたと聞いています。店側が立て替えてことなきを得たものの、多田は毎月10万円ずつ店に返済するという念書に判子を押しました。しかし結局、その返済からも逃げ出したんです」(同前) 行き場を失った多田容疑者は、2024年末ごろ、大阪にいた球団関係者に「困っている」と連絡。過去の悪癖を知りつつも「なんとか更生してほしい」という親心から、この関係者は自身の建設事業で雇い入れたという。 「最初は住む家すらなかったため、私の実家の部屋に居候させました。部屋の契約や、生活家電を買う資金など、総額で100万円以上は貸しています。仕事には遅刻もせず、まじめに来ていたんですが……。ある日、私の部屋に置いてあった『100円玉貯金』のプラスチックケースから、バレないように少しずつ硬貨が抜き取られていることに気づいたんです。 問い詰めたら、本人が盗んだことを白状しました。さらに、私にバレないよう裏でキャバクラ通いを続けており、ひと晩で20万円を使って支払えずに飛んだりしていたようです」 多田容疑者の金銭トラブルが発覚してもなお、彼の更生を願って面倒を見ていたという球団関係者。しかし、多田容疑者は恩人さえも裏切っていた。働き始めて半年ほど経った2025年7月ごろ、出張先のホテルから突然、姿を消したのだ。 「完全に音信不通になったと思ったら、後日、突然『7月に働いた11日分の給料が支払われていない。払ってもらえないなら弁護士に相談する』と、脅しのようなLINEを送ってきたんです。こちらとしては、1円も返済してもらっていない状況です。『請求書を持って来たら目の前でお金を渡す。こちらも弁護士に行きます』と突き返したら、それきり2度と連絡は来なくなりました」(同前) 多田容疑者の逃亡生活はその後も続き、大阪のバーで「働かせてほしいけど、いま大阪に住んでいなくて、家を借りる資金がないから先に貸してほしい」と、10?20万円を無心しては、翌日に飛ぶという行為を繰り返していたという。さらに追及から逃れるためか、周囲をあ然とさせるような“偽装工作”までおこなっていた。 「Instagramに『肝臓がんで亡くなりました』と、自分が死亡したという虚偽の投稿をしたんです。最初は僕も驚いて、彼のお母さんに連絡を取りましたが、お母さんは『がんのことも、亡くなったこともいっさい知らない』と。広島でも数十万円の金銭トラブルを起こして飛んでいたようなので、死んだふりをして逃げようとしたのでしょう。大阪で100万円を盗んだトラブルの後も、『自分はがんで入院中だ』と周囲に嘘をついていましたから、彼の常套手段なんです」(同前) 恵まれた体格とは裏腹に、他人ともめることもできない「気弱で優しすぎる」性格だったという多田容疑者。しかし、その手癖の悪さと虚言癖のツケは、あまりにも大きかった。