【バレー男子】アジア制覇で団体球技では一番乗りの五輪切符 格下に2敗に不祥事…「締まる感覚がなかった」逆境から日本がよみがえったワケ

◆バレーボール▽男子アジア選手権最終日 決勝 日本3―0イラン(13日、北九州市立総合体育館) 決勝が行われ、世界ランク6位の日本が同18位のイランにストレート勝ちし、大会最多11度目の優勝。2028年ロサンゼルス五輪の出場権を日本の団体球技では一番乗りでつかんだ。高橋藍(25)=ルブリン=が第1セット(S)でバックアタックを決めれば、第2Sは石川祐希(30)=ジラート=のサービスエースなどで連取。ダブルエースで異例の早期切符取りに成功した。3大会連続11度目の五輪では、1972年ミュンヘン大会金以来の表彰台を目指す。 最後は全員の思いを背負って主将が五輪切符を決めた。2―0の第3S。藍、西田が得点し迎えたマッチポイントで、2連続でトスを託された主将の石川がレフトから腕を振り切り、こん身のスパイクを決めた。「ロス五輪」と書かれたいくつもの応援用ボードが、揺れていた。割れんばかりの大歓声が、心地よかった。 スタートから全てをぶつけた。西田の強打で得点を重ねた第1S、19―19に迫られた勝負どころで、藍がバックアタックを突き刺せば、第2Sのセットポイントでは石川がコート奥を攻めてサービスエースで連取。第3Sは21―22の劣勢から藍のバックアタックから石川の強打で逆転した。 24年パリ五輪後、チームは激動の道を歩んできた。ティリ監督1季目の昨年世界選手権では格下に2敗し、1次リーグ敗退。副主将に就いた藍は「締まる感覚がなかった」。主将頼みで各選手の自覚が足りず、1つになれなかった。5月下旬には麻薬取締法違反(所持)の疑いで選手一人が逮捕。同日に予定されていた始動会見と公開練習は急きょ中止となり、激震が走った。 同監督は「我々のできることに一生懸命に励む」と立て直した。21年東京五輪でフランス代表を金メダルに導いた名将は、対話を重視した。西田はセッター深津との連携が合わなかった6月、遠征で同部屋を志願して話し込んだ。「全員が信頼できる」と指揮官が胸を張る隙のないチームを築き上げた。 仮に今大会でロス五輪の出場権を逃していれば、27年W杯(旧世界選手権)を戦う必要があった。ロス五輪まであと2年。これからは、パリ五輪の悔しさをぶつけるために万全を期す。「五輪のメダルへいい準備ができる」と藍。56年ぶりの五輪メダルへ、思いをつなぐ。(宮下 京香)

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