東京の大手町駅からほど近いオフィス街。高層ビルが立ち並ぶ一角に、ひっそりと残されている石碑がある。平将門の首塚(以下、将門塚)だ。周囲を現代的なビルに囲まれながら、そこだけは別の時間が流れているようにも見える。 「“将門塚”は東京を象徴するパワースポットとして知られ、ひっきりなしに参拝者が訪れています。日本人は、強い霊力を持つ存在を信仰する傾向があるんです」(オカルト研究家の吉田悠軌氏) 平将門の首を供養するために建てられた将門塚には、不敬な扱いや撤去を試みた者に不幸が起きるという「祟り」が語り継がれてきた。今年8月19日、「将門塚」で動画配信者が迷惑行為を行ったことで、再び「祟り」に注目が集まっている。 「ライブ動画配信サービス・Kickの男性配信者が奇声を上げながら将門塚によじ登り、下半身を露出しました。 配信者は、礼拝所不敬罪および公然わいせつ罪により被害届が提出されたそうです」(ITライター) その数日後に自然災害が起きたことで、「将門の“祟り”ではないか」という陰謀論がSNSで拡散された。 「8月22日、関東一帯が記録的豪雨に襲われました。さらに23日午前2時、茨城県南部を震源とするマグニチュード5.9の最大震度5弱の地震が発生します。 実は、茨城県は将門のゆかりの地であり、坂東市神田山にある延命院には胴塚が葬られているんです。 将門が討ち取られた際、首は京都へ送られましたが、一族がひそかに胴体を持ち帰って延命院に埋めたと伝えられています」(歴史専門誌編集者) SNSでは2つの自然災害を「将門の祟り」と結びつける投稿が相次いだ。 迷惑行為と自然災害の因果関係を示す科学的根拠はないが、「将門塚」を巡っては、過去にも「碑を動かした直後に災害や事故が起きた」という逸話が繰り返し、語られてきた。 「私自身は“平将門の祟り”と自然災害が結びついているとは思いませんが、因果関係を求める大衆心理は理解できます。 2020年11月から2021年4月にかけて行われた“将門塚”の改修工事で石碑を移動させた翌日、茨城県沖で最大深度5弱の地震が発生しましたが、このときもSNSで騒ぎになりました」(前出の吉田氏)