メキシコの連邦・州当局が、同国プエブラ州シエラノルテ地域の山中で稼働していた秘密の暗号資産(仮想通貨)マイニング施設を摘発した。ロイターが9月12日に報じた。 プエブラ州政府が9月6日に発表した声明によると、連邦検察庁(FGR)、海軍省(SEMAR)、州治安当局がトラオラの施設を捜索して証拠品を押収した。押収品には稼働中のGPU約300台のほか、変圧器1台、中電圧端末約80個、衛星インターネットアンテナ8基が含まれていた。 その後SEMARは、9月11日の捜索差押えで作成した最終目録では押収機材が1032台に上ったと発表した。同省は「同一の物件であり、2カ所目ではない」と説明している。逮捕者は出ていない。 ロイターによると、同施設は2025年初頭以降にこの地域で見つかった4件目のマイニングファームで、いずれも同じ水力発電ダムの周辺にある。検察は電力窃盗の疑いも調べている。 安全保障アナリストのDavid Saucedo氏はロイターに「麻薬カルテルは新たな高度化の段階に達したようだ」と述べ、運営には技術的知見と潤沢な資金が要ると指摘した。 Chainalysisによると、不正なアドレスが2025年に受け取った暗号資産は少なくとも1540億ドル(約23兆8700億円、1ドル=155円換算)で前年比162%増えた。ただし取引高全体に占める割合は1%未満だ。同社のCaio Motta(カイオ・モッタ)氏は、電力が安いか組織犯罪の影響下で電力を盗める地域が狙われると語った。 類似の摘発はブラジルや米国、東南アジアでも相次いでいる。 【次に読む】» 米国の暗号資産犯罪による被害額、2025年に110億ドル超に増加:FBI» Chainalysisと韓国警察庁、暗号資産犯罪捜査の連携強化で覚書締結» G7、北朝鮮の暗号資産窃取とサイバー犯罪に対する共同行動を呼びかけ |文・編集:井上 俊彦|画像:Shutterstock