ロサンゼルス、カリフォルニア州、10月7日 (AP) ー 代理出産の手口を通じて21人もの子どもを集め、「恐怖の館」で育てていたとして、極めて裕福な中国人移民の男とその妻が6日、米西海岸カリフォルニア州で逮捕された。 逮捕されたのは、ロサンゼルスのダウンタウン北東約20キロに位置するアーカディアの広大な邸宅に住む郭軍宣(グオジユン・シュアン)容疑者(66)と、シルビア・張(チャン)容疑者(39)。 検察によると、子どもらは残忍なベビーシッターから日常的に暴行を受けており、夫妻は監視カメラのネットワークを通じてその様子を眺め、あざ笑っていたという。夫妻は全米で代理母となる女性らを募集し、家族を増やすためにもう一人子どもを探しているだけだと騙していたとされる。 ロサンゼルス郡のネイサン・ホックマン地方検事によると、夫妻は複数の児童虐待罪のほか、児童虐待の共謀罪、犯人蔵匿罪、証人威迫罪の容疑に問われている。 ホックマン地方検事は午前の記者会見で、「この事件は前代未聞であり、実におそろしい。幼い子どもたちが受けた身体的虐待、暴行、不当な罰は卑劣きわまりない」と語った。 近郊のパサデナで行われた午後の罪状認否で、夫妻は中国語の通訳を介して無罪を主張し、すべての容疑を否定した。容疑の重大性と逃亡の恐れがあることから、検察側は1人当たり1億ドルの保釈金を要求した。 マッケンジー・テイムーリ副地方検事によると、夫妻は200以上の個人口座と70の法人口座を所有し、年間の送金額は2億5000万ドルに上るという。 二人とも米国、メキシコ、中国のパスポートを所持しているとされるが、捜査当局はそれらがすべて真正なものかどうか特定していない。検察側は、一部の銀行口座の開設に偽造パスポートが使われたと述べている。 テイムーリ副地方検事によると、捜査員が夫妻の自宅内を捜索したところ、一つの口座に7000万ドル以上が入っている銀行残高証明書のほか、計1000万ドル近くに相当する骨董品の彫刻や特別な酒類などの資産が見つかった。 ロサンゼルス郡高等裁判所のケリー・ホワイト判事は保釈金をそれぞれ2000万ドルに設定し、自宅軟禁および子どもらへの接近禁止命令を言い渡した。 夫妻の弁護人を務めるミッチェル・クレムス弁護士は、被告らが問われている容疑の性質に対して保釈金額は「不当」であるとし、張被告の健康状態を考慮すべきだと主張した。 車椅子で出廷した張被告は白血病を患っており、骨髄移植からの回復過程にあるとクレムス弁護士は述べた。 虐待の通報を受け、昨年この豪華な邸宅から15人の子どもが保護され、別の場所に住んでいたさらに6人も特定された。子どもらの年齢は生後2カ月から13歳までに及び、大半が1歳から3歳であった。警察は、張被告が1人か2人の子どもを出産し、残りは代理母が出産したとみている。 ホックマン地方検事によると、夫妻は自宅で「マーク・サロガシー」という代理出産斡旋機関を設立・運営し、全米で代理母を雇うために利用していた。しかし検察側は、夫妻が女性に対し、妊娠できないと偽ったり、子どもは一人しかおらず家族を完成させるためにもう一人欲しいだけだと嘘をついて誤導していたと指摘した。 「この家は、幼い子どもたちにとって『恐怖の館』としか表現のしようがない」とホックマン地方検事は述べた。(日本語翻訳・編集 アフロ)