いま、SNSで未成年とみられる若者を中心に広がっている動画がある。交番で突然大声を上げて逃げる様子や、用がないのに公衆電話から110番通報する様子など、警察への“迷惑行為”が相次いでいるのだ。◆警察に“絶叫”する迷惑動画が拡散埼玉・入間市では、夜、2人の人物が駅前の交番の扉を開けるなり、大声で絶叫し、一目散に逃げる動画が投稿された。イット!が調べたところ、埼玉県内では他の交番でも、同様の迷惑行為が行われているのが確認された。警察に対する迷惑行為は、千葉県内でも起きている。我孫子市では、駅前の公衆電話から警察にイタズラ電話をした際に撮影したとみられる動画がSNSに投稿されていた。どちらの人物も同じ言葉を叫んでいた。警察官:はい、110番です。電話をかけた人物:少林寺じゃー!電話がつながった瞬間に大声で叫び、受話器を置いた。交番で絶叫したりイタズラ電話をかけたりする警察への迷惑行為は、一部の配信者が始めたものとされ、「ショウリンジ」と叫ぶことから、SNS上では、「少林寺レーシング」と呼ばれている。SNSで「少林寺レーシング」と検索すると、数多くの動画がアップされているのがわかる。動画に触発された未成年の若者を中心に、この迷惑行為をまねた事案が各地で相次いでいる。街で高校生に話を聞くと「かっこいいと思ってやっているかもしれないけれど、周りから見たらダサいって思う」「見ていて面白くないし、やって良いことと悪いことがある」と否定的な声が聞かれた。◆愛知では中学生逮捕も警察への迷惑行為は愛知県内で深刻化している。9月22日には、名古屋市内の交番で「少林寺だ!」と叫ぶ行為が確認されたほか、走行中のパトカーの前に少年が自転車で割り込み、わざと停止する危険行為により、14歳の男子中学生2人が逮捕された。この2人は7月、市内の国道でおよそ380メートルにわたってパトカーの前を低速で蛇行運転するなどして警察の業務を妨害した疑いが持たれている。名古屋市などでは、SNS上で「名古屋ライド」と呼ばれる少年らの危険な集団走行が相次いでいて、逮捕された2人もSNSの呼びかけで現場に来ていたという。こうした警察への挑発行為を重く見た愛知県警は、県内の教育委員会に向けて「今後の幸せな学校生活のために」と題した通知を出した。その中で「パトカーや警察施設に生卵を投げる」ことや「交番などの警察施設で大声で叫び、逃走する」などは「法律に抵触すれば検挙される行為」として、生徒や保護者に注意喚起している。◆「不要不急の110番」が招く深刻な影響一方、香川県では、“不要な110番”を繰り返した80歳の女が逮捕された。警察によると、女は8月21日午前0時頃から午前9時頃までのおよそ9時間で携帯電話などから不要不急の110番を「451回」繰り返したという。時に無言電話、そして時には「警察が行動をとるか楽しみです」などと意味不明な内容の通報をし、警察の業務を妨害した疑いが持たれているが、女は容疑を否認している。警察庁によると、全国の110番通報の受理件数は年々増加し、2025年は1100万1129件で過去最多となった。そのおよそ2割は不要不急の内容だったという。こうした警察への迷惑行為が市民生活にどのような影響を及ぼすのか、専門家は―。元警視庁刑事 吉川祐二さん:いたずら110番はいわゆる「虚偽通報」という表現をするのですが、虚偽通報などがあった時には、すぐに対応しなければいけないような案件(への対応)が遅れてしまう。立ち上がりが遅くなってしまう可能性が非常に高く、一般の方にも迷惑がかかるということも十分考えられます。(「イット」10月7日放送より)