横浜地検の検事から取り調べで「ガキ」「お子ちゃま」などと侮辱されて人格権を侵害されたとして、容疑者だった元弁護士が国に1100万円の賠償を求めた訴訟で、取り調べの違法性を認めて国に110万円の賠償を命じた1、2審判決が14日付で最高裁で確定した。第2小法廷(尾島明裁判長)が元弁護士側の上告を棄却する決定を出した。 国側は1審・東京地裁判決(2024年7月)に対して控訴せず賠償責任は確定していた。1、2審判決が黙秘する容疑者に取り調べを継続することは「憲法が保障する黙秘権の侵害には当たらない」と判断したため、元弁護士側が上告していた。小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べた。裁判官3人全員一致の判断。高須順一裁判官は審理に加わらなかった。 1、2審判決によると、18年に犯人隠避教唆容疑で逮捕された元弁護士の江口大和さん(40)=有罪確定=は、起訴されるまでの21日間、横浜地検特別刑事部の検事から計56時間超の取り調べを受けた。検事が「お子ちゃま発想だったんでしょうね、あなたの弁護士観って」「元々、うそつきやすい体質なんだから」などと発言する取り調べの様子は録音・録画された。 地裁判決は、検事の発言は人格的な非難を繰り返すことで何らかの供述を引き出そうとしたもので違法と認定。ただし、黙秘する意思を示した江口さんに取り調べを継続したことは「直ちに供述を拒否する自由を奪うものではない」などと黙秘権の侵害は認めなかった。2審・東京高裁判決(25年2月)も取り調べの違法性は認めたものの、直ちに黙秘権を侵害したとは言えないと結論付けた。【安元久美子】