【10月24日 KOREA WAVE】韓国で、仁川の刃物襲撃事件に類似する事件が繰り返されている。精神疾患が疑われる人物による事件を防ぐには、取り締まりや処罰だけでは限界があり、福祉や医療の面から支える体制が必要だと指摘されている。ソウル北部地裁は9月30日、窃盗と公共の場所での刃物所持の罪に問われた58歳の被告に、懲役1年6カ月を言い渡した。精神疾患による心神耗弱を認めながらも、犯罪歴を考慮して実刑とした。被告は4月27日午前4時10分ごろ、ソウル市東大門区周辺で刃物を持って歩き回り、市民に恐怖を与えたとして摘発された。過去に統合失調症と診断され、強盗殺人と遺体損壊の罪で懲役15年の刑に服し、2022年9月に出所していた。仁川の事件で逮捕されたチェ・チュンラク容疑者(59)にも、犯罪歴や保護観察中だった点などで共通する事情がある。チェ・チュンラク容疑者は10月13日午後1時48分ごろ、仁川市南洞区九月洞の大型商業施設で、市民10人に刃物を振るい、殺害しようとした疑いが持たれている。捜査によると、殺人未遂を含む前科が10件あり、保護観察の対象だった。位置追跡用の電子足輪を着けた状態で犯行に及び、約1カ月前の9月9日にも、公共の場所での刃物所持の疑いで立件されていた。チェ・チュンラク容疑者にも精神疾患があり、警察はその点を考慮して捜査にプロファイラーを投入した。10月16日の逮捕状審査への出頭時には、「崖から落ちるしかない状況をつくられた」「圧迫を受けた」などと、まとまりを欠く発言をしたという。ソウル警察庁によると、2025年にソウルで通報された公共の場所での刃物犯罪307件のうち、精神疾患が疑われる容疑者によるものは74件で、24.1%を占めた。専門家は、こうした事件を巡回の強化だけで防ぐのは難しいと指摘する。警察も仁川の事件翌日に開かれた青瓦台の関係省庁会議で、行政による精神科入院措置の活用や、精神科救急の受け入れ体制の拡充などを保健福祉省に提案した。東国大学警察行政学科のイ・ユンホ教授は「巡回や取り締まりを増やしても、誰がかばんに刃物を入れているかは分からない」と指摘。「精神疾患のある人による犯罪は、刑事司法だけでなく、社会福祉や保健医療の領域から対応すべきだ」と述べた。(c)KOREA WAVE/AFPBB News