「解明されていない黒幕が」田中被告と因縁ある“工藤会壊滅”指揮者が語る…無罪判決には「闇に葬られる可能性が極めて高い」王将事件と18年前の発砲事件の類似点も

2013年12月19日に発生した「餃子の王将」社長射殺事件をめぐり、京都地裁は2026年10月16日、殺人罪などに問われていた特定危険指定暴力団・工藤会傘下の石田組幹部、田中幸雄被告に対し、無罪(求刑・無期懲役)の判決を言い渡した。 裁判長は「いかなる依頼者や組織が関わり、いかなる地位にある者がいかなる役割を分担し、いかなるルートで実行犯に指示命令がなされたかといった犯行全体の実像に結び付くような事実が一切解明されていない」と述べた。 同事件の無罪判決から5日、ABEMA的ニュースショーは工藤会の壊滅に向けた「頂上作戦」の指揮を執った元福岡県警刑事部長・尾上芳信氏を訪ねた。「今回の無罪判決をどう受け止めたか」の問いに対し、尾上氏は「裁判官は自由心証主義があるので、今回の裁判官については無罪という判断をなされたと理解しているが、結果無罪ということで非常に残念には思っている」と語った。 尾上氏には、田中被告との因縁がある。2008年福岡市で起きた発砲事件で、田中被告を逮捕したのは尾上氏が率いる福岡県警だった。田中被告はこの時、1カ月ほど前から下見など犯行の準備をし、拳銃を4発発射させ盗んだミニバイクを乗り捨て逃走。懲役10年の実刑判決が下っていた。その犯行の手口や公判で一貫した否認などが「王将の事件と極めて似ている」と尾上氏は言う。「聞き及ぶ限り、暴力団の中には警察に対して好戦的につっかかってくる人物もいるが、田中受刑者についてはそういう対応はなく、淡々とした落ち着きのある人物なのかなという印象。私が在職中にも拳銃使用による事件において本人を逮捕起訴し有罪に導いている。このときも一切自分の犯行について認めることもなければ、上位者からの指示も認めない形で有罪認定を受けている。今回も案の定、何もしゃべらないという状況になったのかなと」(尾上氏、以下同) 田中被告は当時工藤会の2次団体・石田組の本部長、組長に次ぐ立場にあった。 今回の無罪判決の中では、「上位者」という言葉に触れていた。「上位者等から犯行の具体的内容を知らされないまま、被告人が現場の下見等を命じられ、犯行とは別個の機会に東側通路を訪れて喫煙して吸い殻を遺留した後、被告人とは別の第三者が犯行を実行した可能性も直ちに排除できない」(裁判長) 被告は下見を命じられただけで、撃ったのは別の誰かかもしれない。捜査を指揮した尾上氏もこう考えている。「公判でも明らかになっていない、解明されていない黒幕と言われる人物がいて、被害者に対する殺害の動機があってそれを実行するために依頼し、指示を受けそれを忠実に実行したということではないか」 判決でも命令した上位者がいる可能性については触れている。しかし田中被告を実行犯とは認めなかった。「もし無罪が確定となれば、この事件は闇に葬られてしまう可能性が極めて高い。ぜひ大阪高検においては控訴をしていただいて、真実の追及にご尽力いただければと期待している」 無罪を言い渡された田中被告は判決の後、こうコメントした。「検察も人間ですから間違うこともあります。勇気を持って振り出しに戻って、過ちを正され、真犯人を追っていただきたい」。 事件から13年、上位者は本当にいたのか。いたとすれば誰なのか。法廷では動機は一度も語られなかった。そして、依頼者がいたのか、組織は関わっていたのかについても何一つ示されておらず、その答えはまだ出ていない。(『ABEMA的ニュースショー』より)

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