ブラジル大統領選敗北からわずか3日で夜逃げ?…ボルソナロ氏、米国へ衝撃の逃亡

ブラジル大統領選挙で敗北したフラビオ・ボルソナロ上院議員が、裁判所の出国禁止命令に違反して米国に逃亡し、波紋が広がっている。選挙が終わってから3日もたたないうちに司法当局の監視を逃れて出国したことが明らかになり、与野党ともに衝撃を受けている。米国がボルソナロ氏を受け入れたことで、両国間の外交摩擦も悪化する可能性があるとの指摘が出ている。◇イタリアのパスポートで国境越え…野党指導部も知らずボルソナロ氏はブラジル連邦最高裁判所の出国禁止措置を逃れ、秘密裏に米国へ向かった。裁判所は資金洗浄と汚職の捜査を理由に同氏のパスポートを無効にしたが、ボルソナロ氏はイタリアのパスポートを使って陸路でアルゼンチンに入国した。アルゼンチン移民局によると、ボルソナロ氏は27日夜(現地時間)、妻と2人の娘を連れてミシオネス州の国境の橋を渡った。その後、チャーター機でエクアドルのグアヤキルを経由し、28日午前に米マイアミに到着した。ボルソナロ氏が所属する政党の自由党(PL)の指導部でさえ、報道を通じて出国の事実を知った。大統領選挙陣営を統括したホジェリオ・マリーニョ上院議員は「党との事前の意思疎通は一切なく、本人から『今日は少し自分の時間を持ちたい』という携帯電話のメッセージを受け取っただけ」と明らかにした。総選挙で与党を圧倒する議席を確保した自由党など野党陣営も苦しい立場に置かれた。大統領候補の突然の逃亡により、政局の主導権を失いかねないとの懸念が出ている。◇ルラ氏「選挙に負けて逃亡」と猛批判…ICPOの国際手配を推進4選を果たしたルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ次期大統領はボルソナロ氏を強く批判した。ルラ氏は「選挙に負けたばかりの市民が自分の国を置いて逃げる時、その良心の中で何が起きているのか尋ねたい」とし、「秘密裏にこの国を去った市民は、何か悪いことをしたに違いない」と述べた。かつて自身は大統領選挙での敗北や政治的圧力にもかかわらずブラジルにとどまり、捜査を受けたとし、「ボルソナロ一家にとってブラジルは第2の祖国であり、第1の祖国は米国だということを想起させる」とも述べた。ジャイル・ボルソナロ前大統領のもう1人の息子であるエドゥアルド元下院議員も、司法上の問題で米国に亡命している。与党の労働者党は連邦最高裁判所に対し、ボルソナロ氏の予防的拘束令状の発付と国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)による赤手配を要請した。来年2月に上院議員の任期が終わり、不逮捕特権も失われれば、身柄確保に向けた動きが加速する見通しだ。ただ、米国に滞在しているだけに、実際に逮捕できるかどうかは不透明だ。ボルソナロ氏は複数の汚職疑惑で捜査を受けている。代表的なものは、10億ドル(約1579億円)以上のオンライン賭博詐欺資金を洗浄した疑いが持たれている弁護士と結託したという疑惑だ。クーデター未遂の罪で服役中の父親、ジャイル・ボルソナロ前大統領の伝記映画の製作費を調達するため、汚職スキャンダルに関与した銀行家から違法な資金を受け取った疑いもある。大統領選挙陣営による外国人からの違法な資金調達疑惑も捜査対象となっている。大統領選挙で勝利していれば、在任中は就任前の容疑について責任を免れることができたが、敗北によって司法処罰の危険性が高まったため、逃亡を選んだとの分析だ。◇トランプ政権、入国を許可…米国とブラジルの外交摩擦激化に懸念米国の対応も議論を呼んでいる。ドナルド・トランプ政権はボルソナロ氏一家にビザを発給し、入国を認める方針を明らかにした。ブラジル政府はこれを主権侵害であり、犯罪容疑者に対する不当な庇護とみている。すでに米国によるブラジル内政への干渉問題で両国関係が悪化している中、今回の事態が新たな外交紛争に発展する可能性が指摘されている。ブラジル政府が米国に犯罪人引き渡しを要請する可能性もある。サンパウロ大学のマウリシオ・ステゲマン・ディーター刑法教授は、ボルソナロ氏による出国禁止命令違反が、最終的な有罪判決が下される前であっても、犯罪人引き渡しを要請する法的根拠になり得ると説明した。

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