仙台中央署 少年健全育成官「今月末にハロウィンがあるけれども何か計画しているの?」女子高校生「仮装して来ようかな」ハロウィンの1週間前、JR仙台駅前で街頭補導を行っていたのは、警察職員・「少年健全育成官」です。少年健全育成官「こんにちは~!警察!年齢だけ確認させてくれるかな」声をかけたのは、通う学校も、学年も違う高校生4人組。集まっていた明確な理由はなく、「何となく」だといいます。警察「あ!なんだ!顔見知りじゃん!元気してたか?」少年「元気っすよ」20歳未満が犯罪に巻き込まれないよう、注意を呼びかける街頭補導。飲酒や喫煙などの不良行為があった場合は保護者に連絡するなどの対応にあたります。取材中、補導された人はいませんでしたが、県警は今年、深夜徘徊や喫煙などで、去年よりも190人多い、延べ2500人を補導しています。※深夜徘徊:1319人(+24)、喫煙:457人(+36)、不健全娯楽:186人(+36)まちを歩く理由は、対話を重ねて信頼関係を築き、“非行の芽”を摘むことにあると言います。宮城県警本部少年課 長谷川陽子少年健全育成指導官「街頭補導といいますと、たばこを吸っている、お酒を飲んでいる、そういった子供を捕まえるというイメージが強く持たれるが、実はそうではなくて、いろんな問題を抱えた子を、早く見つけて適切な措置につなげるというのが目的」非行に至る、背景や傾向は。仙台市若林区の東北少年院では、家庭裁判所から少年院送致の決定を受けたおよそ50人の少年が、社会復帰に向けた矯正教育を受けています。少年(恐喝容疑で逮捕)「中1で初めて大麻を吸って、そこで薬物を買うために反社とのつながりができて。かっこいい先輩たちがやっているのに、自分がそこで芋引くというか、やらないのはダサいかなと思ってしまって」友人への恐喝容疑で逮捕され、2度目の少年院送致となった少年です。過去に特殊詐欺の“受け子”として逮捕され、一度は少年院を出ましたが…。少年(恐喝容疑で逮捕)「薬をやっていたことで自分自身がすごく短気になってしまって、ちょっとしたことで殴ったりお金をとる行為をしました。被害者の方には申し訳ないが、正直やった時のことすら覚えていません」覚醒剤やコカイン…薬物を断ち切ることができず、友人への恐喝事件の引き金となりました。そもそも、薬物に手を染めたきっかけは、「居場所」です。少年(恐喝容疑で逮捕)「自分にとって生きがいだったというか、中学1年生の時に友達がいなくなってしまったということもあって、(不良グループに)どっぷりはまってしまって悪さをしたら、「すごい」とほめてくれるので、どんどん(不良グループに)よっていって。家族以上に家族というか」宮城県警本部少年課 山埼耕平少年事件指導官「本来、学校や地元が心地よい居場所であれば良いですが、そういったところに場所がなかったりしますと、今度はSNSなどでつながった非行グループの中に(少年は)自分の居場所を見つける特徴もある」県警の担当者は、SNSでつながったグループには、より危険な傾向がみられるといいます。宮城県警本部少年課 山埼耕平少年事件指導官「緩くつながっている非行グループですので、その場のノリや悪ふざけから派生して安易に非行行為に走る、場合によっては傷害、強盗などの凶悪な事件につながるところがみられます」記者リポート「仙台駅近くの駐車場も現場の一つとなった強盗致傷事件。逮捕された少年と被害に遭った男性を結びつけたのは、SNSだということです」10月22日、16歳から17歳の少年3人が、10代の男性に暴行を加えてけがをさせ、現金1000円を奪った疑いで逮捕されました。事件の発端は、SNS上で身分を偽り、被害男性と連絡を取ったことでした。こうした、刑法をもとに検挙・補導される少年は、県内では去年1年間で397人で、20年前と比べると2割まで減少しています。一方で近年の傾向を見ると、コロナ禍の2022年には190人まで減少しましたがそこから増加傾向に。SNSの普及が、背景にあると見られています。SNSと犯罪。中でも警察が、学校などと連携して警戒を強めているのは…仙台北警察署 坂内和子少年健全育成官「軽い気持ちから手を出しては絶対だめなのが、薬物なんです」SNS上で出回る薬物情報です。特に大麻は、「違法ではない」などの嘘の情報や、隠語を使った販売などを背景に、去年全国で検挙された少年は過去最多となっています。今年7月には、仙台市の男子中学生が自宅で大麻を所持したとして逮捕される事件も。講話を聞いた中学生「違法な薬物は自分にとってはまだ遠い存在だと思っていたが、中学生も乱用していることを知り、すごく身近なところにあるんだなと印象を受けた」薬物を断つことができず、少年院送致される事件を起こした少年。薬物依存を脱する更生プログラムを組んでいるものの、不安は拭えません。少年(恐喝容疑で逮捕)「薬が100パーセントない少年院という場所でも自分の体は欲していて、自分で責任を取れない薬に関しては、簡単にやらなければよかったと後悔しています」東北少年院法務教官「常日頃から気にかけて声をかけてくれる存在が大きいのかな。人とのつながりを感じられる環境があれば、少し変わるのではないかと」学生同士で、防犯活動に携わってもらう取り組みも進められています。イベントで、非行防止ソングに合わせてダンスを披露したのは、仙台市若林区の中学生ボランティア。地区の補導員協会の会長も、ステージを見守りました。若林地区少年補導員協会 小野和徳会長「第三者的に見ていると見るだけで終わってしまいがちですが、能動的に自分たちが(防犯に)関わることで、もうひとつ突っ込んで物事を考えていける」県内では、大人ではなく、子供たちが主体となり、同世代の非行防止や防犯活動に取り組むボランティア団体が活動していて、年齢の近い大学生もサポートしています。少年健全育成ボランティアの大学生「怖がらずに気軽に相談してもらえる身近な存在であれたらと思う」若林地区少年補導員協会 小野和徳会長「私たちも、子供たちに遠慮しないで、言いたいことを言えるようなそういう関わりを持って見守っていきたいと思います」防犯に関わる子供たちがいる一方で、非行や犯罪に走ってしまう少年がいる現実。少年(恐喝容疑で逮捕)「悪いことをしている時は、その場が楽しければいいとか、その時のことしか考えなかったが、少し先のことを考えたりすれば、自分の行動がいかに(将来に)影響していくか、自分の行動によって将来がどれだけ狭められるかを考えた方がいい」見守ってくれる人がいて、居場所があるということ。非行や犯罪を食い止めるつながりを作るための継続的な活動が、安心なまちづくりのためにも求められています。