7月下旬、東京地裁の法廷。証言台の前に座った20代後半の男は、小さな声で語り出した。 「率直に言うと、好きになってしまった」 公立中学校の教員という立場で、教え子の女子生徒に性的暴行を加えたとして、不同意性交などの罪に問われた公判。被告人質問では、教え子との“交際”を振り返った。「好きとの感情が高まる中で止められなかった」「相手が大人になったら、結婚を前提に付き合っていこうと思っていた」 一方、意見陳述した生徒の母親は声を震わせながら訴えた。 「ついこの間までランドセルを背負っていた娘は、普通の中学生が過ごす青春時代を奪われた。被告人を一生許さない」 子どもにとって安全であるはずの学校で、教員による生徒への性暴力は後を絶たない。専門家は、事件の背景に「認知のゆがみ」があると指摘する。どういうことか。(共同通信=池田絵美) ▽「クラス担任と生徒」から始まった関係 裁判での被告人質問や判決によると、男は生徒の1、2年時のクラス担任で、部活動の顧問でもあった。