【】北海道新聞記者がロシアでスパイ容疑により拘束。状況の打開策とは?

ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。この連載ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく!* * *――10月13日、北海道新聞ユジノサハリンスク支局の日本人男性記者が、ロシア連邦保安局(FSB)によってスパイ容疑で拘束されました。モスクワのレフォルトヴォ拘置所に収監されました。この記者はこの先、どうなっちゃうんですか?佐藤 収監されている独房は狭く、電気は24時間点灯されっぱなしです。一番キツいのは人と一切話すことができず、通信もできないことです。当然、看守もほぼ話さないし、無口で食べ物を入れるだけです。ちなみにシャワーは一週間に1回、5分程度です。長期間、人と話さないと拘禁反応が出てきます。それと同時に、捜査官しか話せる人がいないので、そこで人間関係を作ってしまうんですよ。――なんと恐ろしい。その関係を築いた上でFSBが調書を作ると。佐藤 そうです、検事ではなく捜査官が作ります。――そこに弁護士はいないのですか?佐藤 いません。それは予審制度と言われていて、戦前の日本もそうでした。――一気に『蟹工船』の世界へ……。佐藤 それより、小林多喜二の『独房』(1931年)という作品がこの状況に合致しています。書き出しがこれです。『誰でもそうだが、田口もあすこから出てくると、まるで人が変ったのかと思う程、饒舌(じょうぜつ)になっていた。八カ月もの間、壁と壁と壁と壁との間に――つまり小ッちゃい独房の一間(ひとま)に、たった一人ッ切りでいたのだから、自分で自分の声をきけるのは、独(ひと)り言(ごと)でもした時の外はないわけだ。何かものをしゃべると云ったところで、それも矢張り独り言でもした時のこと位だろう』これを読むと、そこの雰囲気がよくわかります。――すさまじい!! 痛いほどよくわかります。ただ、こんなときに役立つ本があるとか?

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