尹大統領は就任式招待、与党は旧正月ギフト…国民の力、深まる「極右との同行」

韓国与党「国民の力」の権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長が、戒厳擁護などを主張した右派ユーチューバーに旧正月のギフトを送り、波紋が広がっている。 21日、国民の力によると、権委員長は「政党代表者」名義で党が贈る旧正月ギフトの名簿にユーチューブチャンネル「神の一手」運営者のシン・ヘシク、「新男性連帯」のペ・インギュ、「コン・ビョンホTV」のコン・ビョンホ、「グラウンドC」のキム・ソンウォン、「キム・ジェファンの時事」キム・ジェファン、「キム・サンジンTV」のキム・サンジン、「ペ・スンヒ弁護士」のペ・スンヒ、「コ・ソングクTV」のコ・ソングク、「イ・ボンギュTV」のイ・ボンギュ、「ソン・チャンギョンTV」のソン・チャンギョンのユーチューバー10人を含めた。このユーチューバーらは最大野党「共に民主党」が内乱宣伝罪などで告発した人たちだ。 国民の力は「民主党から不当に告発されたユーチューバーも慰労と激励の気持ちを込めてギフト名簿に含めた」と明らかにした。ギフトは全羅北道務安(ムアン)で生産された海苔セットで、「先日の務安の悲しみ(旅客機着陸事故)を共に乗り越えようという意味」という。 名簿に含まれているユーチューバーらは12・3非常戒厳事態の前後に刺激的な映像を相次いで載せた。「新男性連帯」は8日の弾劾反対集会の放送で「(国民の力所属)地方議員XX、早く来い。ここにいる私のXXがけがをすればお前たちが責任を負うべき」と話した。「不正選挙制度化の成功は左派永久執権の最後のパズル」(19日、コン・ビョンホTV)、「私は本当に戒厳に賛成する」(昨年12月13日、グラウンドC)などの主張もしてきた。「イ・ボンギュTV」は19日、占い師をパネルとして呼び、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が2月4日から生き返るだろう」と主張した。 権委員長がユーチューバーに旧正月ギフトをを送ると、党からは「極右ユーチューバーに近い人たちの考えと党が同じ方向に進むという誤解を受ける」(尹熙晳元報道官)、「彼らと共に受けるギフトはありがたくもない」(パク・サンス仁川西甲党協委員長)などの反発が提起された。中央選挙管理委員会は「公職選挙法に違反する余地があると判断される」と明らかにした。 国民の力と右派ユーチューバーの密着は過去にもあった。これに先立ち尹大統領は大統領就任式にイ・ボンギュTVなど右派ユーチューバーおよび関係者30人余りを招待した。尹大統領は15日に自身に対する逮捕状が執行される直前、官邸を訪れた与党議員らに「最近のレガシーメディアは偏向している。よく整理されたユーチューブを見るべき」と助言したりもした。 当初は戒厳事態について謝罪するなど右派ユーチューバーと距離を置くようだった党指導部の雰囲気も最近は微妙だ。ユーチューバーが「権委員長はいったい何をしているか」と批判放送をし、指導部に向けた熱烈支持層の「文字メッセージ爆弾」攻撃が続きながらだ。党関係者は「指導部も寒い日に集会をする支持層を意識しないわけにはいかなかったはず」と話した。 権性東(クォン・ソンドン)院内代表は21日、記者らに対し、右派ユーチューブを「代案言論」と表現し、「代案言論に旧正月のあいさつとして小さな贈り物をすることに対し、過度に政治的な解釈をしながら非難しようという態度の方が理解できない」と話した。 最近の西部地裁乱入事態をめぐっても右派ユーチューブの主張を借用し、「警察がデモ隊の進入を誘導したのではないのか」という主張が出ている。国民の力メディア特別委員会は20日、書面論評で「警察が令状発表時点の午前3時に警備人員を3000人から1000人に減らしたという」とし「裏門が突破されたという理由で正門を放棄したというは釈然としない」と主張した。 右派ユーチューブとの密着をめぐり、党内では「2019年に全光焄(チョン・グァンフン)集会と連係して翌年の総選挙で惨敗した黄教安(ファン・ギョアン)体制’の前轍を踏むのでは」という懸念も出ている。竜仁大のチェ・チャンリョル特任教授は「黄教安元代表当時は野党だったが、与党が熱烈右派に依存している」とし「保守の本質的価値を守るためにも不正選挙、戒厳賛成のような極端主義は果敢に断ち切らなければいけない」と話した。

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