ドナルド・トランプ大統領が2期行政府1号法案で不法移民者拘禁法案に署名した。同時に不法移民者をキューバのグアンタナモ米海軍基地に収容する案を発表した。この場所は過去、米国がテロ容疑者を拘禁し、水拷問などを行ったところで、1期行政府に続き2期行政府でも強硬な移民者政策を揺らぐことなく継続するという意志を示したものと解釈される。 トランプ大統領は29日(現地時間)、ホワイトハウスで開かれた不法滞在者取り締まりおよび追放関連法案署名行事で強盗・窃盗などで起訴や逮捕された不法移民者を国土安保部が拘禁できるようにした「レイケン・ライリー法」に署名した。同法は昨年2月、ジョージア州でジョギングをしていたところ、ベネズエラ出身の不法移民者に殺害された米国人女性「レイケン・ライリー事件」から始まった。トランプ氏はこの日の署名式で、「記念碑的な法」とし、「これは多くの罪のない米国人の命を救うだろう」と述べた。 トランプ大統領は続けて「本日、国防総省と国土安保省にキューバのグアンタナモ湾に3万人規模の移民者施設を準備することを始めるように指示する行政命令に署名する」と述べた。トランプ大統領はこの場所に「米国国民を脅かす最悪の犯罪者である不法外国人を拘禁できる3万個の寝床がある」とし「抜け出すのが難しい場所」とした。この施設の運営は移民税関取締局(ICE)が担当することになるとロイター通信が伝えた。 9・11テロ以降、いわゆる「テロとの戦い」を宣布した米国は、2002年にキューバ東部のグアンタナモ海軍基地にテロ容疑者収容所を設置した。米国がキューバから永久賃貸したが、米国の法律は適用されないこの場所で、米軍は起訴手続きを省略し、テロ容疑者を長期間拘禁して拷問した。米国内外で「人権死角地帯」という批判を受け、バラク・オバマ元大統領が収容所の閉鎖を試みたが失敗した。 CNNによると、グアンタナモ基地にはこのようなテロ容疑者の拘禁施設とは別に、海上で米国への不法入国を試みて捕まった外国人を収容した施設があるが、まさにこの施設を不法移民者収容所として活用するものとみられる。 ◇バタフライ効果、どこまで…メキシコに難民急増・ドイツの超強硬難民政策 トランプ氏の強力な反移民政策のバタフライ効果は、メキシコや欧州にまで広がっている。 28日(現地時間)、メキシコ難民支援委員会(COMAR)によると、トランプ政権2期目の発足後、メキシコ内の難民申請件数が急増する兆しが見られている。メキシコ政府に難民の地位を要請した人は2023年14万人余りで最高値を記録したが、2024年7万9000人余りに多少減ったが、この日SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にメキシコ南部チアパス州タパチュラなどにあるCOMAR事務室前に長い待機行列がある様子を撮影した動画が多数共有され、この数が再び増えるものと見られるとCOMARは推定した。 来月23日の総選挙を控えたドイツでは、世論調査の支持率1位の第1野党「キリスト教民主同盟(CDU)」が極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と手を組んで超強硬難民政策を推進する見通しだ。英日刊紙ガーディアンは「この日、ドイツ連邦議会でCDUとAfD主導で全面的・常時国境統制、不法移民者追放などの内容をまとめた移民政策強化決議案が採択された」と報じた。