遺族「謝罪と償いは終わった」 オウム真理教、公証役場拉致事件

1995年2月末に起きた目黒公証役場事務長拉致事件の逮捕監禁罪などで服役したオウム真理教の平田信元幹部(59)が2022年4月の満期出所後、事件で亡くなった事務長仮谷清志さん=当時(68)=の長男実さん(65)と7回にわたり面会していたことが分かった。実さんが11日までの取材に明らかにした。 面会を重ねる中で、出所後の就労状況や示談金の支払いペースについて話をし、今月1日に支払いが終わったという。実さんは「事件による心の傷が癒えることはないが、彼に求めていた謝罪と償いは終わったと思っている」と話した。 11年の大みそかに出頭した平田氏は、13年に遺族と示談。その後の公判でも謝罪の言葉を述べ、遺族宛てに手紙を書き続けた。実さんは服役中も静岡刑務所で1度面会し、22年2月に平田氏がそのお礼を伝えた手紙には「もう一度お詫びさせて頂きます。申し訳ありませんでした」と記していた。 出所数日前の手紙には「刑期は満了となりますが、予想していた通り『罪を償った』という実感は湧いてきません」とつづっていた。

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