神奈川県警の元警察官が、偽造書類を郵便局に提出して知人の口座から現金700万円を引き出したとして逮捕起訴された事件の裁判が、2月10日、横浜地裁で行われた。検察は犯行が巧妙、大胆、悪質だとして、懲役3年6月の実刑判決が相当と求刑した。 警官が仲間の警察官にも嘘をつき、同行を求めた上で郵便局を訪れ、駐在所管内の住民の口座から、現金700万円を騙し取ったとする異例の事件。犯行に及んだ当時は現職だった。 犯行の動機として、ギャンブルで抱えていた多額の借金返済と、結婚資金のためだったと明かした。ギャンブルは警察の同僚に誘われたのがきっかけで、職場でのパワハラや交際相手との関係に悩む中で依存症になっていったという。 被告人は、日常的に被害者の世話などをしていたところ、被害者が不動産を売却して多額の金銭を手にしたことを知った。入院する被害者から通帳を預かり、犯行に及んだと認めた。「絶対バレると分かっている」にもかかわらず、借金で首が回らず死ぬしかないと精神的に追い詰められ、止めることができなかったなどと述べた。 事件後、懲戒解雇された被告人だが、警察官の立場を悪用する犯行までに追い込まれた背景は何だったのか。