去年9月、神奈川県横須賀市の国道で在日アメリカ海軍の兵士が交通違反をしたうえ、死亡交通事故を起こした事件で、警察はきょう(12日)、兵士を書類送検しました。この事故では兵士が現場で事情聴取されることなく基地に戻っていました。 去年9月18日の午後6時40分ごろ、横須賀市小川町の国道16号で右折が禁止されている交差点を在日アメリカ海軍・横須賀基地に所属する男性2等兵曹(22)が運転する乗用車が右折し、対向車線を直進してきたバイクと衝突しました。 この事故でバイクを運転していた横須賀市に住む会社員・伊藤翼さん(22)が全身を強く打ち、死亡しました。 2等兵曹は当時、公務中ではありませんでした。 日米地位協定では公務中ではない兵士が事件を起こした場合は警察が現行犯逮捕することができますが、2等兵曹は事故を起こした直後、現場に駆けつけたアメリカ軍の憲兵隊に連れられて横須賀基地に戻ったため、警察官が現場で話を聴くことができなかったということです。 その後、警察は2等兵曹や乗用車に乗っていた同僚たちから聴き取りするなど捜査を進め、きょう、過失運転致死の疑いで2等兵曹を書類送検しました。 伊藤さんの両親は取材に対し、「事故の日から涙が出ない日はありません。しっかりと日本での裁きを受けて重大な過失を心から償ってほしいです」とコメントしています。 =伊藤さん両親のコメント全文(原文ママ)= 突然の事故で命をたたれた息子は相手を思いやる人から好かれる心優しい子でした。 22歳という若さでこれから楽しい事沢山あったでしょうに未来が無くなりどれほど無念な想いだろうと考えるといたたまれなくなります。 息子をかえしてください。 事故の日から涙が出ない日はありません。 何故 右折禁止を守らず曲がったのか。 何故 安全確認を怠ったのか。 しっかりと日本での裁きを受けて重大な過失を心から償ってほしいです。