24年前の女性殺害、懲役15年判決 「無念の大きさ計り知れない」

広島県福山市の住宅で2001年、女性(当時35)が殺害された事件で、殺人罪などに問われた無職竹森幸三被告(70)の裁判員裁判(後藤有己裁判長)の判決公判が12日、広島地裁であった。後藤裁判長は「現場に残った血液は被告のもので、被告が犯人と認められる」として、求刑通り懲役15年を言い渡した。 竹森被告は事件から約20年後、現場の血痕のDNA型と被告の型が一致したとして逮捕・起訴された。公判では、完全に一致しなかった鑑定結果もあったとして、弁護側が無罪を主張していた。 判決は「(完全一致しなかったのは)DNAの劣化などによるものと理解できる」。被告のDNA型と一致した鑑定では、同じ型の人間がいる確率は4兆7千億人に1人だとして、血痕は被告のものとした。 さらに「現場に残された足跡は1種類で、被告以外の第三者がいたとは考えがたい」と認定した。 そのうえで「危険で残忍な犯行。自宅で突如襲われ、幼い2人の子どもを残したまま命を奪われた無念と衝撃の大きさは計り知れない」と量刑理由を述べた。 判決によると、竹森被告は01年2月6日昼、面識のない女性の自宅に侵入し、口や両手首に粘着テープを巻き、腹部を果物ナイフで突き刺すなどして殺害した。 1月30日に始まった裁判員裁判では、女性の母親が今月6日に意見陳述し、「娘はとても優しい子だった。2人の子の成長を見届けられなかったのは、どれだけ無念だったか」と述べていた。(根本快)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加