2023年に青森県の病院で発生した入院患者が殺害される凄惨な事件。この事件で、虚偽の死亡診断書を作るなど犯人を隠避した疑いで、病院の運営団体の理事長らが逮捕されました。 ■殺人なのに…死亡診断書に「肺炎」病院で発生の事件“隠ぺい”か 事件の舞台となったのは、青森県八戸市。400以上の病床を持つ「みちのく記念病院」です。 逮捕されたのは、兄で理事長の石山隆容疑者(61)と弟で医師の石山哲容疑者(60)です。 診察を受けたことがあるという人は… 容疑者の診察を受けた人 「ちょっと信じられない。なんで隠ぺいしようとしたのか、正直に言えばよかったのに」 発端は2023年3月12日の夜。 精神科病棟の4人部屋の病室で、73歳の男性患者が顔から血を流しているのを看護師が発見。 そのとき同じ病室の57歳の男が看護師に対し、こう話したといいます。 「歯ブラシで滅茶苦茶に刺した」 翌日午前、医師が男性の死亡を確認。 しかし、死亡診断書には死因は「肺炎」と書かれていました。 ■関係者が通報、男性の死因は失血 病院は事件を警察に知らせていませんでしたが、午後6時すぎ、病院の対応に不信感を持った関係者が警察に通報。 司法解剖の結果、男性の死因は頭部と顔面の損傷に伴う失血によるものでした。 男性を歯ブラシで刺した男は逮捕・起訴され、その後懲役17年の刑が確定。 病院も事件の翌月に捜索を受けていましたが、事件から2年近くが経って理事長の石山隆容疑者と医師の哲容疑者が逮捕されました。 事件当時、隆容疑者は院長、哲容疑者は死亡男性の主治医。 2人は事件を知っていたにもかかわらず遺族に虚偽の死亡診断書を交付するなどして犯人を隠避した疑いがもたれています。 事件は夜に起きたため、2人は病院にいませんでしたが、報告を受けたあと病院関係者に嘘の診断書を作成させたということです。 警察は2人が事件の発覚を免れようとした経緯や動機を調べることにしています。